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2012.10.30妄想【トマ主 ハロウィン】


はぁ、と湿った吐息が首元にかかる。
皮膚を溶かすみたいなその熱に背筋がぶるりと震えた。

トクトクと脈打つ場所に歯があてられたと思えば、躊躇うように離れていく。
その仕草がじれったくて、私はトーマの頭を抱くように引き寄せた。
一瞬彼が息を詰めたのが分かる。

「お前ね……今俺が何しようとしてるのかちゃんと分かってんの?」
「……分かってるよ」
「じゃあ何で俺より落ち着いてるのよ、おかしいだろ」

(そんなこと言われても……)

だってトーマだから。そうとしか言いようが無い。
物心ついた時から傍にいるのが当たり前だったから。
今更別の目で見ることなんてできるわけがないから。

こうして話している間にもトーマの息はその感覚を狭めていく。
相当苦しいのだろう、吐き出す息の熱さとは対照的に、私に触れる手のひらは冷たかった。

「トーマ、早く飲んで?」
「っ……」

私の催促に再び息を詰めたトーマ。
顔を見なくても、その表情が辛そうに歪んでいるのが分かる。

「お前のこと傷つけたくないのに……」

トーマは震える声でそう呟いて、抱き寄せる腕にぐっと力をこめた。

どうしてそんなふうに言うんだろう。
私は嬉しいのに。
トーマが私を求めてくれることも。
私がトーマの為にできることがあるという事実も。

小さなリップ音が耳に響いて、ちくりと甘い痛みが首筋に走る。
いつもこの瞬間、彼を堪らなく愛おしく感じた。

ちゅ、と濡れた音をさせてトーマが私の血を舐めとる。
私の生がトーマの中へと流れて、そしてひとつになっていく。

「ト、マ…私の血、美味しい?」
「ん…はぁ……おかげ様でお前の血以外飲めないよ」
「ふふふ……」

何幸せそうに笑ってんの、なんて呆れられて。
だって実際泣きたいくらいに幸せなのだから仕方ない。

少しずつ体温を取り戻していく大好きな、大好きなトーマ。

物心ついた時からずっと傍にいたから。
私はこれからもずっとトーマの傍にいる。
全てを隠して一緒に生きる。


ねぇ、だからトーマ。

私以外のヒトの血、飲んだりしたら許さないからね?



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