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2012.7.16妄想【トマ主 幼馴染って切ない】


聞き覚えのある笑い声。

少し視線で探しただけで、俺はすぐにおまえの姿を見つけてしまえる。
友達と楽しそうに話をしながら歩くおまえは、前に見かけた時より随分大人びていて。
そんなに時間が経っただろうかと思い出そうとして、簡単に思い出せる程最近のことではないと知った。

これから皆で遊びにでも行くのだろうか。
まだ真新しい制服がよく似合うおまえの周りを、数人の友人が囲んでいた。
その中に男の姿もあることに気づき、思わず駆け寄りたくなって。
でもそんなことできるわけないから、俺はただ遠くからおまえの後姿を見つめていた。

知らない間におまえはどんどん大人になっていくね。
交友関係も広がって、小さな頃人見知りだったおまえとは思えないくらいきっと友達も増えたのだろう。

俺のこと、今でも時々思い出したりする?
子供の時数年遊んだ幼馴染なんてわざわざ思い出すことも無いのかな。

こんな時、いつも後悔するよ。
挨拶することくらい普通なんだから躊躇せず声かけとけば良かったって。
けど情けないことにその時のおまえの反応が怖くて毎回できない。

ああ。
おまえの声、聞きたいな。
トーマが大好きって、また無邪気な顔して言ってほしいよ。
無防備な笑顔で、おまえが俺の名前を呼んで。

それだけで俺はたぶん、一生分幸せになれるから……


「――マ……、トーマ……」
「ん……」
「あ、やっと起きた。トーマ、そろそろ用意しないと遅刻しちゃうよ?」
「……あれ、おまえ……夢?」
「もう、寝ぼけてるの?トーマって意外と寝起き悪いよね」

くすくすと笑う顔が目の前にある。
さっきまで見ていたおまえよりも大人びた表情で。

ああ、そうだった。

「ねぇ、……キスしていい?」
「ええ!?起きてすぐにそれ??」

途端に顔を真っ赤に染めたおまえが堪らなく可愛い。

「うん。おまえが可愛いからしたくなった。駄目?」

可愛いって思ったら可愛いって言えるんだった。

「……駄目じゃない、けど。」

両腕を差し出せばゆっくりと体を俺に預けるおまえ。

「目、瞑って?」

抱き締めたいと思えば抱き締められるんだった。
キスしたいと思えばキスできるんだった。

唇が重なる寸前で、大好きだよって囁いて。
キスの合間におまえが必死に返そうとする大好きの言葉を、飲み込むみたいに口付けた。

夢みたいな日常は、今この腕の中にある。


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