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2012.6.1妄想【イッキさんお誕生日記念】


この時期、女の子達の争いは激しさを増す。

僕を祝いたいとか、一番におめでとうを言いたいとか。
僕が生まれて来たことを誰よりも傍で感謝したいとか。

皆の気持ちは嬉しかった。
愛される幸せを素直に感じた。

けれど、いつもどこか置いてけ堀を食らった気分だった。


「あの、イッキさん…、もうすぐイッキさんのお誕生日ですね。」
「あー、そっか、もうそんな季節なんだ。」
「それでその、…当日はどう過ごすご予定ですか?」
「え……?」
「イッキさんをお祝いしたい人ってたくさんいるだろうから、お誕生日会とかあるのかなぁって…。」
「……………。」

不思議な子だな、と思う。
君と僕は恋人なのだから、一緒に過ごすのが当然だとは考えないのだろうか。

黙っている僕を不安そうに見つめる視線に、なぜか少しだけ苛立ちを覚えた。

どうして二人で過ごしたいって言わないの?
どうして自分だけが僕を祝いたいって思わないの?

「…君はどうしたいの?」
「え、どうしたいって……。」
「僕の誕生日、二人で過ごさなくていいの?一番におめでとうって言わなくていいの?当日に他の誰かと一緒にいても構わないの?」
「っ………。」

矢継ぎ早に問えば眉をしかめて涙目になる君。
けれど言葉は止まらない。

「僕たち恋人なんでしょ、どうして遠慮なんかするの?一緒に過ごしたいって言えばいいじゃない。二人きりでお祝いしたいって言えばいいじゃない…!」

強まってしまった語尾に、ふと我に返った。

ああ、そうか。
僕は………。

「イ、…キさん……。」
「…ねぇ、僕はね、君におめでとうって言ってほしいよ。君だけに祝ってもらいたい…。」

自分から祝って欲しいなんて思ったのは初めてだった。
一方的な想いじゃなくて、押しつけるでも無くお互いがお互いを想い合って。
そんな気持ちで迎える誕生日は生まれて初めてだったから。

だから言ってよ。

「……イッキ、さん…。」
「うん。」

君の本当の気持ちを聞かせてよ。

「…お誕生日は、私と二人でいてください。」
「うん。」
「12時ぴったりに、隣でおめでとうございますって言いたいです。」
「うん……嬉しい。」

少しだけ濡れた目元を指で拭って、赤く染まった頬を手のひらで撫でて。

幸せそうに微笑む君。
幸せそうに微笑む僕。

二人で一緒に幸せになる、今年の僕の誕生日。


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