今宵君に良い夢を
「どうですかー、夢、見てます?」
私のベッドに座りパソコンを操作するレイン。
カチャカチャとキーボードを叩きながら、いつも通りの間延びした声で彼が私に問いかけた。
何もない場所に液晶が現れるいつ見ても不思議な彼のパソコン。
それをぼんやりと見つめながら私はその問いに答える。
「…向こうの世界の夢を見るわ、毎晩」
「それは良かったー、うまく量子変化が起こっているようですねー」
画面を見たままそう言ったレインの声は明るくて、そこから彼の心情は読み取れなかった。
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