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2011,12,4妄想【イッキと紐パン】注:若干(?)大人向け


『いつも可愛い下着つけてるね…。』

先日イッキさんに言われた言葉が、頭から離れなかった。


「パスタの味は今一つだったけど、あのタルトはかなり美味しかったね。今度冥土の羊でもタルトの種類増やしてもいいかもねー。」
「そうですね。やっぱりカフェですから、スイーツが充実してたほうがいいですし。」

近頃話題になっていた駅前にOPENしたレストラン。
イッキさんと食事をして、感想を言い合いながら並んで歩く冬空の下。
冷えた指先を温めるように、はぁ、と息を吹きかけていると、横からイッキさんがその手を取る。
いつもしている手袋を外して、柔らかく私の手を握った。

「冷たいね。」
「……イッキさんはあったかいです。」

こうして堂々と手を繋いで外を歩けることが本当に嬉しくて、ついつい顔が綻んでしまう。


「どうする?この後。帰るなら送るけど…。」
「あ……、え、と…。」

口ごもる私を、イッキさんがそっと覗きこむように腰を屈める。

「...うち、くる?」
「……はい。」

ふ、とほほ笑みを見せる彼は、街を照らす無機質な光の下で、怖いくらいに色っぽく見えた。
ドキドキと高鳴る鼓動はこれから訪れる甘い時間への喜びと、ほんの少しの期待。

イッキさんは、今日も言ってくれるだろうか……。



「…ふ、ん……っ……。」

玄関の扉を閉めたと同時に、深く唇を奪われる。
欲しい。待ちきれない。
彼のそんな熱が唇を通して私の中に流れ込んで、体が歓喜に震えた。

私の体を廊下の壁に押し付けるようにして、激しく口付けを落とすイッキさん。
嵐みたいなキスに頭の中がとろとろに溶け出した頃、彼が私の手をそっと引いて部屋の中へと誘う。

催眠術にでもかかってしまったかのように、ただ引かれるがままに足を進めて。

廊下を出て部屋に入った時、ぱさ、と軽い音がした。
同時に足元に伝わった感触。
ぴたりと止まった体。さー、と血の気が引く。

不思議に思ったイッキさんが私を振り返って、視線が下へと降りる。

神様を恨んだ。

私の足元には、片方の紐が解けて床へと落ちた情けないパンツの姿。
何もかもがフリーズしてしまった私は、イッキさんを見ることもそのパンツを拾うこともできずにただ立ち尽くしていた。

すっと近寄ってきた彼は涙目の私の額に小さなキスを落として、そのままブラウスのボタンを外し始める。
イッキさんの行動に驚いて、咄嗟に手が彼の腕を止めてしまう。

「あ、あのっ…?」
「黙って。大人しくしてて…。」

私の手をそっと払って、またボタンに手をかけるイッキさん。
一枚一枚、ゆっくりと服を脱がされていく私の心臓は、飛び出てしまいそうな程だ。

上半身がブラだけになると、今度は膝まづいてスカートのホックを外し始める。
パンツが落ちてしまっているから何も履いてないのに、と羞恥で混乱する頭。
それでも、時折お腹や脇に落とされるキスに、言葉は出てこなくて。

スカートが床に落ちて、イッキさんは私の足元のパンツをつつ、と腰へと上げる。
彼の手が太ももに触れる度、ぞくりと背筋に何かが走っていく。

イッキさんはまるで贈り物にリボンを結ぶように、きゅっと蝶々結びを作ってくれた。

「……イッキさん…。」

掠れた声で名前を呼ぶと、彼はまた腕を回して私の腰を抱きしめる。
お腹にかかる熱い息。ちゅっ、と音を立ててキスをする湿った唇。
濡れた舌がお臍の近くをするりと滑って、思わず甘い声が零れた。

「可愛い……。どうしよう。本当に…可愛い…。」

うわ言みたいに繰り返し、繰り返し。
私を可愛いと呟いては、体中余すところなく唇を這わせるイッキさん。

「あっ…、は、…ん……。」
「…は…、ほどくのもったいないな……。」

欲しかった言葉を惜しげもなくくれる彼の腕の中で、本当にプレゼントになってしまったみたい、そんなことを考えていた。




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