AMNESIAblog妄想まとめ | ナノ

2011,11,14妄想【シン主+トマでお鍋】


ぐっと寒さが増した11月半ば。
昨日出したコタツは足元をぽかぽかと温めてくれる。
机にはカセットコンロの上でコトコトと小さく揺れる土鍋。

うさぎ模様の可愛いお鍋とセットで買った器に、シンが私の分をよそってくれる。
その姿はどこか優雅で、さすが執事喫茶でバイトしてただけのことはあるなぁ、とこっそり感心したりして。

「ほらよ。」

言い方がぶっきらぼうなのがちょっと残念だけれど。

「ありがとう。美味しそう!いただきまーす。」
「あれ?シン、俺の分は?」
「...お前は自分でやれ。」
「うわ、差別だ。」
「うるさい。大体何でトーマがいるんだよ。」
「ええ?今さら?お鍋は大人数の方が楽しいからって誘ってくれたのはこいつなんだけど。」

ぽん、と私の頭を叩くトーマ。
それを見たシンが、触るな、とトーマを睨んだ。
いつまでたっても居心地の良いこの場所は、私の宝物だった。

「......おい、ネギが残ってる。ちゃんと全部食べろよ。」
「...だって苦手なんだもん。」
「俺が食べてやるよ、ほら、こっちによこしな?」
「ほんと?ありがとう、トーマ!」
「甘やかすなよ、トーマ。」

シンの厳しい声に、箸が止まる。

「シンー、お前恋人なんだからもうちょっとこいつに優しくしてやったら?好き嫌いくらい誰にでもあるだろ?」
「優しいと甘やかすは違うんだよ。よそってもらったものくらい全部食えって言ってんの。」

シンの理屈は正しくて、器の中のネギを見つめたまま黙ってしまう。
小さい頃からずっと食べれないネギが、ポツンと残された器。

「......シン...。」

助けを求めるように小さく名前を呼ぶと、彼は、はぁ、と短く溜め息を吐いた。

「仕方ねーな...、ほら、あーん。」

私の器からネギを箸で持って、私の口元へ運ぶシン。
思わず目をパチパチと瞬かせた。

「え、あの、シン??」
「早く口開けろよ、腕が痛いだろ。ほら、あーん。」

ぐっと迫ってきたネギ。
咄嗟に口を開けばひょいと放り込まれた。
特有の香りが口内に広がったけれど、それを気にするどころじゃない。

恥ずかしさから顔を真っ赤にしながら必死に噛んで飲み込めば、シンは柔らかい笑みを浮かべた。

「よくできました。」
「.........。」

子供にするように頭を撫でられて、私の方が年上なのに、とか思ってもどうしたって悪い気はしない。
シンの手をきゅっと握って、笑顔を向けた。

「......おい、トーマ。」
「はいはい、さっさと食べて帰りますよ。」

ちょっと可哀想だったかもしれない。
うどんをすするトーマを見て、心の中で謝った。




prev / next
[ back to アムネblog妄想top ]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -