CZblog妄想まとめ | ナノ

第2回 合同作戦会議 〜愛しき人へのお願い〜


「―――と、いうことで。
撫子に何をお願いするか、慎重に吟味したいと思うんだ。」

男が至極真剣な顔でキュッ、とホワイトボードに文字を書いて放った言葉。
書かれた文字は【第2回 合同作戦会議 撫子に何をお願いするか】という意味の分からない内容で、場にいる全員が深すぎる溜息を吐いた。

「……何だこれ…、デジャヴってやつか?」
「ふむ…、この状況、私にも覚えがあるな。確か前回は撫子へのクリスマスプレゼントについて、ここにおる皆と激しい討論を繰り広げた筈ではなかったか?」
「………オレ帰るわ。」

くるりと踵を返した赤髪の青年の背中に、男は笑顔で声をかける。

「あ、前回同様この部屋には仕掛けがしてあるからね。」
「……おい、まさか…。」
「うん、察しの通り、この部屋から出ようとすると神々の黄昏が起こります。」
「よし、まずは一発殴らせろ。話はそれからだ。」

集まってから数分で既にカオスな空気を醸し出す部屋に、パンパン、と手を打つ音が響いた。

「はいはい、皆さんまずは落ち着いてください。というかもう諦めてください二回目なんですから分かるでしょう。このひとに何言ったって無駄ですよ。」
「ですねー。流れに身を任せてしまったほうが楽だと思いますよー。」

白い毛皮を羽織った細目の青年の横、どこか間の抜けたカエルの人形を持った白衣の青年が、一歩前へ出てひとつ咳払いをする。

「えー、皆さんもうご承知だとは思いますが、ここでは公式で紹介されている名前で呼び合うことになりますー。というわけで、これからボクのことはルーク、こちらの彼はビショップ、そしてそこにいるお花畑の住人は加賀さんでよろしくお願いしますねー。」
「あはは、お花畑の住人は酷いなルーク。」
「承知した。では私たちはそれぞれ哲学者、反逆者、コスp―――」
「放浪者だ。お前それ引っ張り過ぎだろ。頼むからいい加減もう忘れてくれ。」

彼らの様子を少し引いた場所から眺めていたお守りを首から下げた青年が、んー、と小さく唸ってから初めて口を開く。

「まぁこの滅茶苦茶な状況うんぬんは置いておいて、今日は僕たち一体何の為に呼ばれたの?」

前回は特別ゲストとして呼ばれた彼、情報屋の当然の質問。
その質問を受けた加賀は、ぱぁ、と満面の笑みを浮かべて答えてみせた。

「今日、撫子がどんなことでも一つだけお願いを聞いてくれるって約束してくれたんだ。というわけで、皆も一緒に考えてほしい。彼女に何をお願いするべきか、をね。」
「「「「「…はぁ???」」」」」

こうして始まった第2回合同作戦会議。
時の停滞した部屋の中、再び一人を除く全員の重たすぎる溜息が響いた。


prev / next
[ back to CZblog妄想top ]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -