2012,2,25妄想【鷹斗のなんでもないドラマCD】
鷹斗『愛しいひとの寝顔』あらすじ↓
鷹斗の部屋で撫子と二人きり。
忘れていた仕事を急いで片付ける彼を待つ間に、彼女はついソファーでウトウトしてしまう。
気持ち良さそうに眠る撫子に甘い言葉と甘いキスを落とす鷹斗。
お互い忙しい毎日の中、こうしてゆっくり過ごす時間は何よりも大切で。
お洒落なレストランも、贅沢な料理も必要ない。
ただ、二人でいられるだけで幸せだった。
「今だけでも、君の温度を一番近くで感じさせて…。」
大好きなきみとの、何でもない日の、特別な時間。
「撫子……、好きだよ…。」
「………ん。」
耳元を擽る甘い声。
「…っ………!」
「ふふ、可愛い…。」
落とされる柔らかな口付け。
絶え間なく送られる愛の言葉と甘美な刺激に、頭の中が痺れてしまう。
「っ、鷹斗…、そろそろご飯……。お腹すかないの…?」
「…ん………。」
肯定なのか否定なのか分からない返事をして、私の首筋に鼻を埋める鷹斗。
時々小さい電気みたいな痛みが走って、その度に体がビクッと跳ねた。
『きみの手料理が食べられるなんて嬉しいに決まってる。…でも、それもちょっと後回しにしない?もうちょっと、二人きりでこうして…抱きしめ合っていたい……。』
鷹斗がそう言ってから、もうどのくらい時間が経っただろうか。
思わず苦笑が零れてしまう。
彼は時々、こんなふうに私を放さないことがある。
甘えている、とも少し違う。
二人で過ごす時間を心から慈しむように、噛みしめるように。
何度も何度も愛を囁いて、私がどんなに恥ずかしいと言っても決して止めない。
鷹斗と恋人になってもう随分経つが、私は彼のそんな真っ直ぐ過ぎる愛情表現にどうしても慣れることができないでいた。
「鷹斗…、だめ…。」
「うん………。」
(うんって…。)
普段は過ぎるくらいに私の意思を優先してくれる鷹斗なのに、こんな時は全然言う事を聞いてくれない。
困った。
そう思いながらももっと困ってしまうのは、私自信そんな状況に本気で困ってはいないということ。
「……ねぇ、寝室に行かない…?」
「……っ。」
間近で見つめられて、上目づかいに強請られて。
嫌なんて言えるわけがないのに。
(…今日は夕食は食べれそうにないわね。)
考えていたメニューを諦めて、私は彼の背中に腕を回した。
大好きなあなたとの、何でもない日の、幸せな時間。
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