円短編改造計画 | ナノ


「ん…、はぁ……。どうしたんですか、今日は随分積極的ですね…。」
「……ふ、…んん……。」

土のpHを測りに行っていた撫子さんは、帰ってくるなりソファに座っていたぼくにキスを強請った。
可愛い恋人からのそんな「お強請り」に応えないなんて選択肢はなくて、求められるがままに唇を合わせる。

我武者羅な口付けに、きっと何かがあったのだろうと分かった。
彼女の様子を窺いながらキスを交わしていると、カチャリという金属音が部屋に響く。
撫子さんがぼくのベルトに手をかけたのだと気付いて、柄にも無く狼狽えてしまう。

「ちょっ、何してんですかあなた??」
「………嫌?」

赤く染まった顔と潤んだ瞳で見上げられて、嫌と言える男がこの世に存在するだろうか。

一瞬央の姿が頭を過ぎったけれど、そう言えば今日は隣の地区まで泊まりの調査に出掛けたのだと思いだす。
彼女もそれが分かっているからこうしているのだろう。

「…っ………。」

ぼくの膝の上に乗っかる彼女が、既に昂ぶっているそれに小さな手を這わせる。
思わず息を飲んだぼくを一瞬心配そうに見てきたが、快感を得ているのだと分かって安心したようにまたキスをしてきた。

始めは遠慮がちに、暫く経つと少しずつ大胆になっていく手の動き。
理性が飛びそうになるのを必死で抑えながら彼女に尋ねる。

「っは…、…何か、あったんですか?あからさまに様子が変ですけど…。」
「…………。」

ぼくの言葉に彼女は答えない。
もう一度口を開きかけた時、すっと彼女がぼくの膝から降りた。

明らかにおかしい撫子さんの様子を黙って見ていると、次の瞬間彼女が信じられない行動に出る。
ぼくの足の間にひざまづくようにして、今まで触っていたその場所へと顔を寄せて来たのだ。

「―――っ、何してんですか!あなたにそんなこと求めてません!」

あまりに驚いてしまい思わず声を荒げると、撫子さんは一瞬目を見開いて、そして泣きそうな表情になった。

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