―――7年後
「ねぇ円、何かおかしいところないかしら?」
「大丈夫ですよ、いつも通りです。」
「いつも通りじゃダメなのよ!やっぱり髪はまとめた方が清潔感あったわよね…どうしよう…。」
「なーに今更そんな事気にしてんですか?ぼくの両親にはもう何度も会ってるでしょう?」
「でも今日はただ遊びにお邪魔するわけじゃないのよ??」
手に持った菓子折りと、余所行きのワンピースをもう一度確認する。
「ちゃんと可愛いですよ。」
「そんなの円の言うことだもの。本当かどうか分からないわ。」
「…聞いたのはあなたでしょ、撫子さん喧嘩売ってんですか?」
憎まれ口の応酬もいつも通り。
彼の隣にいるのもいつも通り。
二人で築き上げた未来を、今も二人で歩み続けている。