円短編改造計画 | ナノ

円の憂鬱


鷹→鷹斗 円→円 レ→レイン カ→カエル君




鷹「……もう二回も断られたんだ…。」
円「そうですか。B地区の可動式販売機のメンテナンス、最後に行ったのいつですか?」
鷹「レインの診断では、体調はもう問題ないって話なんだけど……。」
円「そうですか。メンテの報告が上がってきてないんですけど、
  記録捜してもらえます?大至急でお願いします。」
鷹「これって、やっぱり避けられてるってことだよね……。」
円「そうですか。あ、ついでにアワーにコレ、
  居住区エリアのリスト渡しておいてください。」
鷹「……………。」

レ「いやー、気持ちいいくらい露骨にスルーしてますねー。」
カ「流石にキングもムカついたんじゃねぇか?」
レ「どうですかねー。ま、でも自業自得なんじゃないですかー?
  忙しそうに職務をこなしているビショップの横で、延々愚痴零してるんですから。」
カ「だな。矛先が俺達に向かなくて良かったぜ、マジでめんどくせぇ。」

鷹「円、ちょっと撫子の様子見てきてもらえないかな。」
円「何でぼくなんですか、嫌ですよ。
  あそこで暇そうにしてるレインさんに頼んだらどうです?」
鷹「だって、撫子って円には少しだけ心を開いているように見えるんだよ。
  俺やレインに対しては、まだ怯えているみたいだから……。」
円「時間が必要なだけでそのうち慣れますよ。…だからもう出て行ってください、
  あなたがいると周りが緊張しちゃって仕事にならないんですよ。」
鷹「円…………。」

レ「おやおや、いつもより冷たいですねー。キング落ち込んじゃいましたよ。」
カ「あいつはちょっとくらい落ち込んでた方が大人しくていいんじゃねーの?」
レ「言えてますけどねー。いやー、実際キングが落ち込むと、
  結構面倒なことになると思いますよー。」
カ「あん?どういう意味だ??」

円「一時間後にD地区へ視察に行くので、ミニッツの視察隊に連絡と、
  アワー警備隊の確保しておいてください。それで今日の業務は終了です。」
鷹「D地区の可動式販売機は、今の所飲料と食料…だったっけ?」
円「……そうですけど?」
鷹「D地区はこれから人が増える予定だから、
  通信手段も充実させたほうがいいよね。」
レ「ほーら、始まった。」
カ「始まった?」
レ「キングって、こういう時に余計なこと言い出すんですよねー。
  無茶なアイディア思いついたり、
  そしてそれを実行しようとして周りを巻きこんだり。」
カ「…ほんっと迷惑な奴だな。」

円「今のところ通信手段は渡している通信機で事足りてますが。」
鷹「うん、でもそれって音声だけだし、
  この前有心会の子に奪われちゃって情報が漏れたりしたよね。」
円「……まぁ。」
鷹「可動式自動販売機と通信機にカメラを設置したらどうかな。
  それでモニターできるようにすれば状況もすごく分かりやすくなるし。
  わざと有心会のメンバーに奪わせれば、
  あちらの手の内が把握できるんじゃない?」
円「それは、そうですけど……。それだと今使用している通信システムを、
  全て一から作り直すことになりますが。」
鷹「うん、そうだね。」
円「……………。」

レ「うわぁー、あのヒトさらりと肯定しましたよ。しかも満面の笑みで。
  システムを一からって、どんだけ時間と労力かかると思ってるんですかねー。」
カ「あいつ、マジで鬼だ……。」

円「……分かりました。彼女の様子を見てきます。」
鷹「本当に??ありがとう、円。よろしく頼んだよ。」

カ「あ、折れた。」
レ「いやー、心から同情しますよー。」
円「……うるさいですよ、先輩。」


―――どうしてぼくだけこういう役回りなんですか。








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