カカシ先生長編改造計画 | ナノ


はっきり言って驚いた。

雅美という少女が言うには、自分は違う世界から来たという。

俄かにも信じられない話しに、
俺と五代目は目を丸くしてただ彼女の話を聞くことしかできなかった。

嘘をついている様には見えないが、どう考えてもこの少女はおかしいとしか思えない。
五代目に眼をやると、腕を組んで考え込んでいる。

しばらく黙り込んでいた五代目が口を開いた。

「カカシ、イビキをここに呼べ。」

(……やっぱそうなるか…。)

「五代目、この子は忍ではなく一般人だと思われますが…。」
「そんなことは分っている!」

声を荒げた五代目に驚き、眼をパチクリして俺と五代目を交互に見る少女。
この小さな少女にイビキの尋問は耐えられないだろう、と同情を覚える。

この少女の言うことは信用できない。
里の人間ではないと思われるただ普通の少女。
忍でもない彼女は里の警備に捕まることなく俺の部屋、
しかも俺の寝ているベッドに気配もなく現れた。

(言っていることは現実味ないし、ま、尋問部に引き渡すのが道理だろうね。)

冷静にそう考える反面、
会ったばかりのこの少女に対して湧き上がる同情心を抑えられない自分自身に戸惑う。

自分の元に現れたからか、自分のことを一番知っていると言われたからか。
理由は分らないが、
俺はこの少女を守らなければいけない、そんな使命感に囚われた。

「こんな幼い少女がイビキの尋問に耐えられると思いません。
「……幼い少女?カカシ、お前何を言っている。
 雅美は幼い少女なんかではないぞ、確かに背丈は小さいがな。」
「へ!?」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまった俺に、彼女は言った。

「…私は23歳です。」 

(マジで!?)
  
でもそう言われてよくよく彼女を観察すれば、可愛い顔だが確かに子供ではない。
話し方もナルト達に比べて大人びている。
暗い場所で見たせいか、大きさだけで少女だと思いこんでしまったようだ。

(俺もまだまだ修行が足りないみたいね。)

怪訝そうに俺を見上げる彼女に、愛想笑いをした。





―――――――――――――――


尋問という言葉を聞いて、頭の血の気がサーッと引いていくのが分った。

(そんな…、耐えられない尋問って何??なんで尋問なんてされなきゃいけないの??
 犯罪者じゃあるまいし!)

あまりに現実離れしたこの状況に、襲う不安と恐怖で目頭が熱くなる。

(やだっ、帰りたい!帰りたい!!)

今すぐこんな場所から逃げだしたい。
そう思うのに足が竦んで震えるばかりだった。

「こんな幼い少女がイビキの尋問に耐えられると思いません。
 もっと穏便な方法があるのでは?」

(……は!?幼い少女って私のこと??)

もともと童顔である私は、
背が小さいせいもあってよく実年齢よりも年下に見られることがある。
幼い少女とまで言われたことはないが……。

強張っていた体から、がっくりと力が抜けた。

(なんなのこの人……。)

不満気な態度もそのままに自分の年齢を告げると、
彼は細めた右の目でまじまじと私を見てくる。

その視線に不快感を覚えたが今はそんなことよりも、
これから自分の身に起こる事に対しての恐怖のほうが勝っていた。

          
                                                  



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