カカシ先生長編改造計画 | ナノ


一体何が起こっているのか。

完璧にパニック状態の頭をフル回転させるが、
ベッドから落ちた衝撃で後頭部がズキズキと痛んで思考が働かない。

(私自分の部屋で寝てたよね??
どこここ、誰あれ!?)

突然揺れた体に驚いて飛び起きれば、見知らぬベッドの上。

一瞬夢かと思ったけれど、部屋の中から聞こえてきた
低くて押し殺すような声に、背筋が粟立った。

部屋の中に知らない男がいる。


「だ、誰!?」

暗闇の中で、震える喉を抑えて叫ぶだけで精一杯。

もしかして、私は寝ている間に誘拐されたのかもしれない。
自分の置かれた立場に思わず涙が出そうになる。

「誰ってあのね、ソレこっちの台詞でしょうヨ。
ここ俺の部屋なんだからさ。」

さっき聞こえてきた威圧感のある声とは違う、
少し間延びしたような緊張感のない声。

その変化に一瞬戸惑い、一呼吸遅れて男の言葉の意味に驚いた。

どういう事なのだろうか。
この人に連れて来られたわけでないとしたら、何で私はここにいるのだろう。


「何もしないから、安心して。話が聞きたいだけ。
 んで、まずは姿を見せて?」

相変わらずグルグルしている思考を整理する時間もないまま、
どうしようどうしよう、と焦るだけで何も言葉が出て来ない。

カーテン開けるからネ、という言葉と同時にシャッとカーテンが開いた。
まだ朝日は出ていないが、うっすらと白んでいる窓の外から淡い光が部屋に射し込む。

窓際に立つ男の姿を見て、ぎょっとした。

上半身裸で紺色のスウェットを穿いて、腕を組み窓際に立つ長身の男。
その顔には猫のような絵の描かれた白いお面が着けられていた。

(何なの…っ!?本当に怖いんだけど!)

「さ、こっちおいで。ゆっくりでいーから。」

怪しすぎるお面の向こうから発せられる声は思いのほか優しく、躊躇いながらも
このまま隠れていても仕方ないと、ゆっくり立ってベッドの横に歩いた。

歩きながら、男のお面から出ている髪が普通ではないことに気づく。
光に当たってキラキラと輝く髪は、灰色・・・というか銀髪といったほうが正しい。

(あんな色見たことない。どうやって染めたらあんな銀色になるの??)

月明かりに照らされて立つ、お面をかぶった銀髪男性。
明らかに異様な風貌にもかかわらず、どこか妖艶で美しさすら感じる。

現実の物とは思えないそれに、まるで瞬きを忘れたかのように魅入ってしまった。


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