最近の新人は癖が強い

その筆頭が片倉 シュガー


無口で必要最小限の事しか喋らない、無表情で何を考えているか分からない

同期の者も手を焼いているようだ


………実力はあるのだ、実力は



とある日、俺は珍しく外出した

のが間違いだった……まさかこんな事態になるとは



「おい、何だコラ?」



恐らく…やくざ、と呼ばれる種類の人間達だろう

柄が悪い連中に絡まれてしまった


……と言うより。俺に非は無く、向こうから絡んできたのだが



『……何をしている』



そこへ聞き慣れた声音が響く

そこには私服姿の片倉がいた



「ああ?お嬢さんは黙ってろやっ!」

「……お、おい、この人…」



馬鹿者!!何故首を突っ込む!?

この様な輩は、俺1人で何とかなる!



『テメェら、朱華組か?』



片倉の目が細まり、雰囲気が一変する

それは俺がいつも見ていた、彼女の雰囲気とは全く異なっていた


まるで……



「ああっ!?それがどうしたってんだっ!?」

『堅気を脅してんじゃねーよ。朱華組も堕ちたもんだな、あ?』



その口から出た荒んだ台詞に、思わず目を瞬く

これは、一体…



「んだとぉ!?」

「おい、止めろ!この人に手ぇ出したらやべぇよ!!」



突然俺に絡んできた内の1人が、片倉を見て震え始めた

何故か片倉に、怯えている様でならない



『お前ら、このシマが竜牙組のモンだと分かってんのか?』

「ま、間違いねぇ…"竜の姫"だ!!」

「冗談だろ!?こんな餓鬼が!?」



"竜の姫"…とは何だ?

しかしこいつら、物凄い怯え様だな…



『失せろっ!!』

「「すみませんでしたぁぁ!!」」




片倉が吠えると、男達はまるで蜘蛛の子を散らす様に逃げて行った

……一体どういう事だ…?



『大丈夫、ですか?』




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