大切な連れ合いを、失った

蒼い焔が、俺の全てを壊した


…許さない…決して、赦さぬ…


…………

………………



『イゴール、お前生きとるか?』

「何を、意味の分からん事を」



目の前にいる女は、溜め息を漏らす

俺の同期であるコイツは、祓魔塾の剣技を受け持つ講師


正直俺はコイツが苦手だ

真っ直ぐ見据える、蒼みかがった瞳が特に



『分からん、か。とっとと自覚しやがれ、阿呆』

「言葉に気をつけた方が宜しいのでは?その様な口調だから、婚期を逃すのですぞ」

『余計なお世話だ、コノヤロー』



青筋を立たせながら団服を翻す

その背中に、俺は視線を逸らした


騎士として、ベテランの背中

だがそれと同時に、その背中は連れ合いと重なる


……何を馬鹿な事を

連れ合いと一緒くたにするとは、俺も焼きが回ったか…



「……そろそろ、授業だな」



だが俺は知らなかった


アイツが俺を見詰めていた事に

その瞳が、どんな瞳なのかも



俺は復讐者

今もこれからも、何も欲する事はない



蒼みかがった瞳が、心に引っ掛かるなど

――…気のせいだ



「先生ー!」

『おう!今行く!!』



淡く蒼い光は

どこまでも真っ直ぐ前を見据え、力強く


その光に、惹かれてしまうのは…何故だろうか



「どう、すれば良い?なぁ…」






(……あの二人、どうしてくっつかないんですかね?)
(もどかしくて仕方無いぃ!!)
(大変お辛いでしょうが、気長に待ちましょう!!)

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企画青に落ちた日様提出作品

本人達は切ない、でも周囲はハラハラと見守っていたり

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