【絆】は本人達が考えている以上に
確固なモノである
空間を越えた【絆】は
再び奇跡を起こす
『お』
時は夏
青葉の姿は白河城の、城下町にあった
『もー、そんな時期か』
彼女の脳裏に過ぎるのは、今まで自身に起きた事
僅かな苦笑を浮かべ、青葉は再び、足を踏み出した
『……ん?』
暫く歩き、白河城まで後僅かと言う頃
どうも周囲付近が、騒々しい
『…………おいおい』
喧騒の中心を見た彼女は、眉間に皺を寄せる
そこには青葉の、良く知る人物の姿があったからだ
「ちょ!此処どこぉぉぉ!?」
――絶叫している、女子が一人
『………またか、和泉』
盛大な溜息を漏らした彼女は、渋々喧騒の中へと駆け出した
犬すら食わぬ