土方から青葉に、監察方の指揮権が移動して、二日後の朝食の広間



『分かったぞ、連中』



朝食に遅れて来た彼女の台詞に、歳三以外全員の動きが止まった



「案外早かったな」

『連中、雑魚だよ雑魚』



歳三の問い掛けに、青葉は鼻で笑って見せる


急遽、朝食後に緊急会議と相成った






『連中の狙いは新選組屯所襲撃。人数は約五十人で、どれもこれも血気盛んな連中ばかりだ。

大砲等の武器は所持してないものの、大量の火薬を入手している。
……人間爆弾になって、自爆でもする気か?

決行日は新月の夜、つまり……明日だ』



彼女の報告に、室内の空気は一気に一変



「…こんな短時間でそこまで…」

『分かってはいたが、山崎達は【こっち】でも優秀だ。俺も結構動いたしな』



呆然とする和泉に、青葉はさらりと告げた



「俺達を襲撃しようなんて、良い度胸じゃねぇか!!」

「返り討ちにしてやろうぜ、土方さん!!」



左之助と新八が二人に叫ぶ、その瞳はギラギラと輝いている



「当たり前だ、なぁ歳三」

「あぁ…新選組に喧嘩を吹っ掛けた事、来世まで後悔させてやる」



互いにニヤリと笑む土方に、和泉と青葉は顔を見合わせた



「…青葉兄、コレ使えそうな気がする」

『…和泉もか。俺もそう思った所だ』



顔を見合わせていた二人は、何かを企む様な不敵な笑みを浮かべる



「はいはいはい!!!良い策がありま〜す!!」

「良い策って、何だよ?」



元気良く挙手する和泉を、平助が訝しげに問い掛けた

それに答えたのは青葉



『お前等、目の前に【実現しなかった事が実現】してる事を何故使わない?』

「連中、絶対慌てるって!!」

「……まさか」



二人の言葉で、室内の視線全てが一斉にダブル土方に向いた



「「…………は?」」


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