平行世界の青葉と土方が、和泉達の世界に来てから


【土方】という存在は、やはり平行世界でも似たり寄ったりの様で

幹部達は彼に心を許すのも、時間は掛からなかった



だが青葉に対する接し方は、真逆の物で

来た当初は幹部達も、敵意や監視の目を光らせていた


が。彼女の剣の腕前は元より、土方と互角並の知識と冷静さを目の当たりにし

日に日に青葉を受け入れていった







そんなある日の事―――

青葉が密かに幹部達に召集を掛けた



「何だ、急に呼び出して?」

「どしたの、青葉兄?」



首を傾げる幹部達に対し、青葉は険しい表情を浮かべている



『……悪い報せだ。
浮浪浪士の動きが活発化している。連中、何か仕出かす気だ



彼女の言葉に、空気が震えた



「何か掴んだか?」



沈黙を保っていた歳三が口を開く

青葉は頷いて、再び報告を始めた



『あぁ…薩長の奴らの中でも、過激過ぎる連中みたいだ。実際連中の扱いに、薩長の奴らも手を拱いている。

土方、監察方を貸せ。数日中には調べ上げる』

「だが…」



躊躇する土方に、青葉側の歳三がさらりと告げる



「安心しろ。コイツは俺達の新選組監察方隊長だ」

「あれ?青葉兄って医療隊長さんじゃなかった?」



歳三の言葉に室内は騒然となる中、和泉は驚きながら首を傾げた



『掛け持ちしてんだよ。じゃねぇと歳三がぶっ倒れる』



さも当然の様に告げる彼女に、歳三は重い溜息を漏らす



「……今や俺達の新選組内で、青葉が一番激務だ」

『てめぇがぶっ倒れたら、誰が新選組を指揮すんだよ阿呆が。俺はしたかねぇっーの』

「てめっ……」



そんな二人に、全員が呆然

いち早く我に返った土方が、搾り出す様に口を開いた



「わ、分かった。一時的に監察方の指揮権を、青葉に預ける。……頼めるか?」



土方の問い掛けに、彼女は不敵な笑みを浮かべる



『All Light、任せておけ。独眼竜は伊達じゃねぇよ』

「…だから、南蛮語は止めろ。和泉以外分かんねぇんだからよ」


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