「…和泉か?本っ当ーに、和泉なのか!?」

「…いい加減しつこいデスヨ、土方さん」

『……諦めろ、トシ』



青葉に強制的に起こされた土方は、周囲と眼前に居る和泉を見て目を見開いた

それに和泉は苦笑し、青葉は呆れるだけ



「…青葉、俺ら書類整理してたよな?」

『積もりに積もった、あの書類をぶん投げるつもりか?てめぇ…』

「…だよな」



二人の会話を聞き、和泉は呆れる様に目を見開く



「どんだけ書類溜まってんの!?」

「『総司と三馬鹿共が溜めるんだよ、誤字脱語付きでな」』


「……あぁ、納得……」



息ピッタリでハモる青葉と土方に、和泉は納得して頭を垂れる



「おい、和泉!てめぇ、何してやが……」



そこへ目を吊り上げながら、土方がやって来た

彼は紛れも無く、和泉側の土方で


眼前の異様な光景に、流石の彼もア然として佇むだけ



「……ひ、土方さん?」

『そら驚くだろ。自分自身が眼前にいりゃ…まぁこの場合は似てる様で似てないがな』

「んな冷静な場合!?あぁ、青葉兄の土方さんも呆然としてるっ!!」

『…とりあえず、移動すっか』



何処までもマイペースな青葉であった







所変わって、屯所内の土方自室


裏庭からひっそりと移動した四人

青葉と和泉は現在の状況を、ダブル土方に事細かく説明した



『…てな訳』

「分かりました?ダブル土方さん?」

「「ダブル土方って呼ぶな!!」」

『綺麗にハモってやがるし…』



流石平行世界の同じ存在だけあって、突っ込みの仕方が息ピッタリ

そんな光景に青葉は苦笑



「でもさ、流石に見分け付かないよねー」



ポツリと呟いた和泉の言葉に、二人の土方が固まる

だが青葉は慌てる事なく、けろりと口を開く



『見分け?どっちか髪型変えて、呼び方変えりゃ解決すんだろ』

「…どっちか、って…んな簡単に言うな…」



彼女の台詞に土方(青葉側)が頭を垂れた

和泉側の土方も、目を見開いて驚いている



「青葉兄らしいなぁ…」

『俺は見分けよか、幹部や隊士達にゃどう説明したら良いかっー所に悩んどるわ』

「「「……あ」」」

『…何で揃いも揃って、ソレに気付かねぇんだ…』



漸く大事な事に気付いた三人に、青葉が呆れた様に大きな溜息を漏らした


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