「びっくりだよ!!また青葉兄に会えるなんて!!」
『っー事は、【此処】は和泉の?』
「そ!今度は青葉兄達が来ちゃったね!!」
『来ちゃったね、じゃねーだろうが。俺だけならまだしも、トシまでSetなんだからよ…』
「……そだね……」
裏庭で再会を果たした青葉と和泉
土方(青葉側)がまだ目覚めないので、二人は状況確認の為、情報交換中
「【こっち】に来た経緯って分かるの?」
『全然分からん』
「即答だし…」
胸を張って即答する彼女に、和泉は苦笑い
だが青葉にとっては、重要な問題である
『だが経緯が分からんのは痛手だな。多少なりとも分かっていれば、手掛かりを探せるが…全く分からないとなると、また話は別だ』
「…そか。原因が分からないから、手掛かりを探そうにもピンポイントで探せないんだ」
経緯さえ多少分かれば、そこから情報を割り出して、手掛かりを探す事が出来るだろう
だが今回青葉と土方は、経緯が分からずに【こちら】に来た
手掛かりを探すにしても経緯の情報が全くないのだ、手当たり次第に探すしかない
そうすると時間の浪費が倍以上違ってくる
更に平行世界といえ、時間の流れが同じとは言い切れない
青葉はつい、重い溜息を吐き出す
『そういう事だ、相変わらず察しが良くて助かる。
【こっち】の連中が【俺達】を受け入れるかも、問題点の一つだがな』
「だ、大丈夫だよ!?皆受け入れてくれるって!!」
『人っーのは異端を嫌う生物だからな』
その声に、和泉は息を呑んだ
彼女の冷え冷えとした瞳、声色、表情、雰囲気…
全てが和泉の知っている青葉とは、全く違う別人の様で
和泉は背筋が凍る様な感触を覚えた
『………とりあえず、コイツ起こすか』
そんな彼女の視線の先は、未だ意識の戻らぬ土方
気付くと青葉の眉間に皺が寄っていて、米神に青筋が立っていた
「(ひぃぃー!!鈴々音姉さん、マジで怒ってるぅぅ!!……土方さん、ご愁傷様)」
触らぬ神に祟り無し、と言わんばかりに
和泉はそっと彼女から、数歩下がる
そして内心、意識の戻らぬ土方に合掌した
その直ぐ後
裏庭から絶叫が響き渡ったのは…お約束
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