「………冗談だろ?」

『……まぁ、気持ちは分かるわ…』



気付いた土方の第一声に、青葉も政宗も苦笑


それもそうだ。気付いたら居る筈がない、政宗が居るのだから



『………てな訳』



斎藤や千鶴が気付き、全員が揃った所で青葉は全てを説明した


土方や千鶴は経験者だからか。驚いたのは始めの方だけで、後はまたかと苦笑気味

が。斎藤は…そうはいかなかった



「…………」

『一、んな仏頂面しても無駄だ…諦めろ』

「だ、だがっ…」



戸惑う斎藤に、彼女は容赦無く言葉を浴びせる

そこへ傍観していた政宗が、口を開いた



「信じられねえのは無理ねえよ、トシや千鶴や平助も始めはそうだったからな」

『ま、そゆ事』

「………っ」



いまいち納得出来てない斎藤に苦笑しつつ、土方は政宗に声を掛ける



「政宗、道場に行っていいか?」

「Oh!OK.OK!斎藤も連れて行ってやれ!俺も『ザケンな!』



政宗は一緒に行く、と言いたかったのだろう

だがそれは青葉の怒声で掻き消えた



政務終わらしてからやれ、馬鹿兄貴!

あ、千鶴は喜多のトコな』

「喜多さん?」

『あぁ。千鶴の事目茶苦茶可愛がってっからなー、行ったら喜ぶぞ』

「………お前が女らしくしねえからだろ」

『るせぇ、馬鹿兄』



青葉と政宗の義兄妹風景を、初めて見た斎藤は

目が飛び出る位、目を見開いていた



「……副長」

「何だ?」

「……何となく、ですが。青葉がこうなったのが、納得出来ました…」

「……だろ?」

「………お二人共」




因みに義理兄妹の抗争はというと

後から駆け付けた小十郎によって、止められました



で、その後…


彼等の存在、そして各国の新選組幹部の存在は伏せられた


勿論、佐助が各国に報告したからだが

彼に頼み、政宗が各国に文を送ったからだ



とりあえず新選組幹部は政宗達の判断待ち、となる

こればかりは国境越えの難しい、戦国乱世だから仕方ない



さて、奥州に来た三人はというと…


土方はやはりというか、何というか


慣れた様に伊達軍兵と手合わせし、時には指南を施したり

小十郎や綱元に、戦術の違いにについて熱く語り合い

(彼は優秀な軍師の素質がありますね 綱元)
(兄上の言う通りだ、土方には目を見張るモンがある 小十郎)



斎藤も戸惑いながらも、伊達軍兵と手合わせし

時には千鶴との仲を政宗にからかわれたり

(バレバレだっつーの by政宗)



千鶴も慣れた様に喜多の手伝いをしつつ、彼女から指南を受け

女中達から斎藤の仲を問いただされたり…

(あら?見てたら分かりますよ 喜多)



青葉は青葉で、変わらず執務をこなしていた

彼女の元には佐助と小太郎が、現状を細かく報告している

(本当に困ったねー 佐助)
(…何もなければ…良い… 小太郎)



『………まぁ、何っーか…馴染んでんな…』



佐助や小太郎の報告書を見て、青葉は苦笑

それは奥州以外の各国に居る、幹部達の報告だった



―…さて、奥州以外の幹部はというと




back mae tugi



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -