――…時は幕末動乱



『あ、れ?』

「どうした、青葉?」



新選組屯所の廊下を歩いていた新選組副長・土方と、医察隊長・青葉

不意に青葉が空を見上げ、目を細めた



『…なぁトシ…太陽、欠けてね?』

「は?」



彼女に言われて、土方は慌てて空を仰ぐ

するとやはり太陽が欠けていた



「………嘘だろ?」

『………日食、か?』

「何だそりゃ?」



青葉の言葉に土方は首を傾げる

対する彼女は目を見開いた



『知らん?太陽に月が重なって、いかにも太陽が欠ける様に見える現象…っーても、私も南蛮船の連中から聞いた話だがな』

「はぁ…」

『しかし…珍しいな。日食は頻繁に起きないんだが…』





■■■■■





「Oh!小十郎、見ろよ!いつかの南蛮船の連中が言ってた【日食】だぜ!」

「これは…誠に不思議な現象でございますな…」



所変わって、別世界

こちらでも日食が起きていた





■■■■■





偶然か、必然か



日食が始まった時刻は、同時

そして…太陽が黒く呑まれた時刻も、また同時



その瞬間


―…二つの世界が暗転した




■■■■■




『………ん……ここ、は?』



青葉は、気付くと意識を失っていた様だ

けだるい頭を振り、周囲を見渡す


すると彼女同様に気絶している、土方・千鶴・斎藤の姿が



『…は?』



目を瞬かせる彼女だが――



『……………何ぃ!?



…驚くのも無理はない

何せ、彼女の眼前にあるのは………青葉城



『………意味分かんねーよ』

「鈴々音っ!?」



落胆する青葉に、声が掛かる



『………政兄?』



茶髪、薄青眼の左眼、青葉と対をなす右目の眼帯…

それは独眼竜の二つ名を持つ、彼女の義兄・伊達 政宗だった



「『本物か!?」』



二人は声を揃えて、問い掛ける

…こればかりは仕方ない…



「…俺以外に独眼竜を名乗れるのは…?」

『あんたの義妹、伊達四傑の伊達 鈴々音だけだろーが』



暫く睨み合っていた二人だが、互いに不敵な笑みを浮かべて肩を叩いた



「お前、またこっちにとんぼ返りかよ?」

『いや、今回ばっかは分かんね』

「…トシと千鶴だけならまだしも、俺が知らない奴も一緒か…」



青葉・土方・千鶴・平助の四人が、政宗の所に来たのはまだ記憶に新しい
(キリバン・二度ある事は三度ある!参考)


だが政宗は気にする素振りを全く見せず

逆にカラカラと、笑い飛ばした



「まぁ…来ちまったのは仕方ねぇな。全員面倒見てやるさ!」

『……マジでスマン……』


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