悪戯っ子の様な笑みを浮かべるのは次男・左之助

一見遊び人風に見えてしまうが、これでも一応薄桜学園教師だったりする


…因みに近藤家問題児、その1



『野郎も裁縫して当たり前だろーが』

「「え〜」」



きっぱり言い切った鈴々音に、童顔の少年と飄々としていた少年が表情を歪ませる


飄々としていた少年―…四男・総司

薄桜学園高等部二年で、剣道部のエース


笑顔を絶やさないが、性格に難有り



童顔の少年―…五男・平助

千鶴が来るまでの近藤家の最年少


薄桜学園一年で、剣道部のルーキー

近藤家のムードメーカー



そして…二人が近藤家問題児2と3だ



「…何を当たり前な事を…」



隣で溜息を漏らす寡黙そうな少年―…三男・一

薄桜学園二年で、剣道部主将。去年の全国大会優勝者でもある


真面目で冷静、寡黙気味な性格だが、根は熱い



只…上と下に問題児に挟まれた為か、微妙に苦労症



『まぁ、とりあえずだ。恒例の如く短冊を用意してっから、各自書いておけ』



鈴々音は言い終えると、食器を流しに持って行った



「この年になって短冊か〜」

「良いじゃねぇかよ。今年は千鶴が来て、初めての七夕なんだしよ」

「…確かに…」



男兄弟は視線を流しに向けた

そこには仲良く食器を洗う、義姉妹の姿があった



「……良いじゃないか、な?」



不満を漏らしていた総司も、勇の笑みに苦笑を浮かべた



「さぁて、皆!短冊を書いたかい?」



夕飯を終えてしばらくした後


勇も含んだ近藤家は、各々短冊に願い事を書き込んだ



「あははっ!平助、何それ!」

「何々…次のテストで赤点取らない様に、だってよ?」

「そういう総兄や左之兄はどーなんだよ!?」



問題児'sは互いの短冊の内容で大はしゃぎ



「左之兄さんは…綺麗な彼女が出来ます様に?らしいね〜、でも出来ないよきっと」

「んだとっ!?総司はどーなんだ!って…歳兄がくたばる様に…?」

「……おい」



彼等の騒ぎを見て、鈴々音はつい溜息を吐き出す

横にいる千鶴と一を見やる



『二人は何て?』

「全国制覇、です」

「友達が一杯出来ます様に…って…」

『あはは、らしいね』

「そういえば、姉さんは?」

『ん、私?私はね…
家内安全、無病息災



それを聞いた兄弟達は、ピタリと動きを止めた

そして



「「「「「「それ、絶対違う!/違います!」」」」」」



声をハモらせて、突っ込んだ



『……そか?』

「鈴々音らしいなあ」





今日も近藤家は、賑やかで平和です



棚幡 完


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