既に和泉の足元は原形を留めていない

青葉は真剣な表情で、彼女に向き直る



和泉、色々あんだろうが…生まれやら血筋やら、んなの放っとけ。お前はお前なんだからよ

「っ!鈴々音…気付いて…」



目を見開く和泉に、青葉はニヤリと笑った

千鶴の魂の【気配】を察知した様に、彼女は和泉の魂の【気配】を察知していた様だ


そして和泉に掛けた言葉は、生まれが複雑過ぎる青葉だからこそ言える言葉



『たりめぇだ、バーロゥ。伊達に独眼竜は名乗っちゃねーよ』



消えかけている和泉の頭に手を置く青葉

通り抜けてしまい、感触さえ和泉には分からない


だが和泉には青葉の手の温もりが伝わっていた



『…どんな事があろうとも、てめぇを信じろ。
んで隣に居てくれる奴を…信じろ』

「Yes sarァァ!!」



和泉は軽快な返答と満面の笑みを残し、陽炎の様に姿を消した


庭に残ったのは青葉のみ



彼女は真っ青な空を見上げ、柔らかく微笑んだ



『和泉、お前なら掲げた【誠】を貫き通せる筈だ…

そうだろ…?紅桜鬼?




青葉の言葉は風に乗り


誰の耳にも入る事はなかった



True of true 完



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