その日の夜更け――

青葉は悠李を、屯所から連れ出した


向かった先は、周囲に民家のない平地



「……青葉?」

『…物は試し。とりあえず離れてな』



悠李は彼女の言う通り、少し距離を離れた

青葉はそれを確認すると、腰の刀を抜いた


月光に照らされ、輝く白刃

それと共に、青白い光が



「えっ…?」



光は次第に雷となり、青葉の身体に纏う

パチパチと、雷が鳴る



『…さて、と…』



刀を真上に構えた青葉

青白い雷は次第に、刀へと集約していく



HELL DRAGON!
Burst Mode!!

(ヘルドラゴン バーストモード)




青葉が刀を振り下ろすと、青白い雷の竜が現れた

竜は幾重にも現れ、夜空を駆け巡る



すると漆黒の夜空が、青白い雷と次第に混ざり合う現象が起き始める


そして次第に混ざり合いは、空間の歪みを成形していった



『…どうやらBingoの様だ…』

「……マジ?」

『流れてくる空気は、悠李が纏ってんのと同じだぜ?』



歪みは次第に、景色を映し出す

それは青葉も悠李も馴染み深い、新選組屯所



『早く行って、安心させてやんな。こっちのトシには上手く言っておいてやっから』

「…うん…」



歪みに少しずつ、悠李は歩みよる



『悠李っ!』



不意に青葉に呼ばれた悠李は、後ろを振り向く

そこには不敵な笑みを浮かべる青葉の姿



お前はお前の道を行けっ!

「…うんっ!!



満面の笑みを浮かべた悠李は、歪みに飛び込んで行った



『汝の進む【誠】に、幸い有らん事を』



歪みが消えた空の下

笑みを浮かべ、青葉は呟いた



交わる誠 完


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