「……遅ぃっ!!」

「相変わらずなんやなぁ…」

「集合時間位、守れいうねん!大体言い出しっぺはアイツやぞ!」

「まぁまぁ、坊…落ち着いて…」

「……ホント、変わらないわね。て言うか。アノコがいながら、どーして遅刻するのよ?」



ある日の、正十字学園前
そこには3人の男性と1人の女性の姿があった


だが上記の会話の様に、どうやら待ちぼうけを食らってる模様



「そういや、若先生はどないしたんや?」

「……兄弟揃って遅刻かい!」



ピンクに染めている好青年が首を傾げると、隣の少々目付きの悪い青年に青筋が立つ

すると小柄で頭を剃ってる青年が、思い出した様に口を開く



「あ。さっき、若先生から連絡ありましたわ。理事長に捕まったらしゅうて、遅れるそうです」

「……うわ、災難やな…」



好青年が表情を顰めた…その時だ



「わりー!おくれたぁ!!」

「来なはった!!」



彼らの背後に声が掛かる

それは彼達が待っていた人物達


四人の元に駆けつけたのは、蒼い瞳と少々耳が尖っている好青年

そして隣には柔らかい雰囲気を醸し出す女性



ここにいる者達は、かつて机を並べて共に学んできた学友達


―…勝呂 竜士

―…志摩 廉造

―…三輪 子猫丸

―…神木 出雲



この四人は現在、四大騎士として活躍している祓魔師である


そして、今彼らに駆け付けた青年…


蒼き瞳と尖った耳、肩には刀袋を担いでいる

彼こそ、物質界と世界のバランスを崩した人物


青焔魔の血と力を宿しながら、祓魔師の最高峰・聖騎士に上り詰めた

―…奥村 燐


因みに隣にいるのは、彼らの同級生でもあり、現フツヤマの女将


―…杜山 しえみ

因みに燐と結婚しており、杜山は旧姓になる



「おせぇっ!!」

「ご、ごめんなさい…」

勝呂が青筋立てながら叫ぶと、しえみが頭を下げた

不思議そうに出雲は、しえみへと問う



「燐は仕方ないとはいえ、何でアンタまで?」

「…神木、ひでぇ…」

「ごめんね…お母さんの調子が悪くて、燐と一緒に病院に連れていってたの」



燐の言葉を見事スルーし、出雲はしえみの言葉に納得する


フツヤマの前女将は最近身体の調子が悪いと、彼女から聞き及んでいたからだ


それに勝呂は呆れた様に溜め息を漏らす



「アホか!んな理由なら、先に連絡せぇや!!」

「病院じゃ携帯使えねぇじゃんかよっ!!」



燐と勝呂の言い争いが勃発する

が。他のメンバーはソレを、慣れた視線で見るだけ



「また始まったわよ…」

「坊も燐も、ほんま懲りんなぁ…」



二人の言い争いは今に始まった事ではない、学生時代から頻繁にしていたのだ。慣れもするだろう



「スミマセン、遅くなりました!」

「雪男!」



そこへ現れたのは、眼鏡を掛けた蒼い瞳の好青年

燐の双子の弟であり、天才祓魔師として名高い

―…奥村 雪男



「全員揃ったんやから、行きましょう?」

「…だな」



■■■■■



―…正十字学園町 南十字修道院



『あら、いらっしゃい。これまたお揃いで』

「お元気そうで何よりですわ、シュガー姉さん」



彼らが訪れたのは、かつて燐と雪男が幼少時代を過ごした修道院

今現在この修道院は、とある夫婦が経営していた



『…まだ姉さん呼びするの?良い年でしょ、アンタら』

「姉さんは姉さんだよ。な、雪男」

「まぁ兄さんや僕、しえみさんにとってはね。でも良いんじゃないかな?」

『全く…』



訪れた彼らを快く歓迎した女性


元上級祓魔師であり、聖騎士と同様の実力を持ち合わせた実力者

そして…燐と雪男にとっては実姉的存在であり、学友達も彼女を姉当然に慕っている


―…結城 シュガー ネイガウス


彼女は結婚を期に退職。現在は夫とこの修道院を、切り盛りしている



「姉さん、先生は?」

『あぁ…今、少し出払っててね。直ぐに戻るよ』



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