『おいテメェら。その考え、今すぐ改めやがれ。整備士免許剥奪するぞ、コノヤロー!!』

「「ひぃ〜」」



朝礼に参加しようとした時、妙な光景を目にした。バトル車両の整備士達が正座され、説教されている。説教している相手は……サブウェイマスター!?

ノボリとクダリ以外にあのコートを着る人はいない筈なのに…。あの方は一体?



『一般もバトルも偉いとか、関係ねぇんだよ!!俺達は乗客全員と業務員の命を預かってんだ!んなクッだんねぇ事言ってる暇があるなら、腕を磨け!働け!』



確かに一理ある
車両に何らかの不具合があれば、それは当然私達整備士の責任。あの人はそれを分かってるみたい…でもなんでサブウェイマスターが、整備士に説教を?



「柳井さん!おっはよー!」

「おはようございます、柳井様…どうかなされましたか?」



背後からノボリとクダリが歩み寄る。私は二人へ、目の前の光景を指差した



「………あれを」

「「…………は?」」

「二人と同じコートのサブウェイマスター…いない筈ですよ、ね?」

「いないいない!」

「私共と同じコートを着る方は、いらっしゃらない筈でございます」

『そらそうだ。俺は似て非なる世界の人間だからな』



どうやら一通り説教が終わったのだろう。コートの裾を翻し、彼はこちらへ歩む

その光景は、王者の風格を醸し出していた



『初めまして。ノボリクダリ兄弟、柳井さん。俺はパラレルワールドのギアステーション、サブウェイマスター代理のサータだ』

「「「代理?」」」

『本職は整備士なんでね』



ああ、なるほど。だから整備士達に説教を、納得



「そのパラレルワールドの人が、なんでここにいるの?」

『俺の方のサブマス兄弟による喧嘩の結果』

「は?」



サータさんが言うには…些細な事で喧嘩した、サータさん側のノボリとクダリが互いにポケモンを繰り出し
その互いのポケモン技と、サータさんが止めようと放ったポケモン技が融合。なぜかブラックホールもどきを作り出し、巻き込まれたらしい

そういえば…サータさん達のノボリとクダリを見掛けないけど



『双子が巻き込まれたら、仕事に支障が出るだろ。飲み込まれる直前に、蹴り飛ばしてやったわ』



………かなり豪快な方みたい…蹴り飛ばすって



『それよか、何だあれ?』



と言ってサータさんが指差したのは、バトル車両の整備士達。よっぽど説教が怖かったのか、皆さん涙目に…



『阿呆な事抜かしてやがるから、一通り説教しといたが』

「………助かります」



サータさんは向こうで、整備士を纏めるリーダーらしい。こんな若いのに、しっかりしてる



『鉄道が好きで、鉄道の仕事をしてんじゃねーのかよ』

「サータ様はどうなのでございます?」



首を傾げながらノボリが問うと、サータさんは不敵な笑みを浮かべた



『こんな面白ぇ仕事、他にあるかよ』



灰色の邂逅

(元の世界に戻る方法はご存知なのですか?)
(知らん)
(((え"っ!?)))
(ま。どーにかなんだろ)

***
蚊鳥様との相互記念
十八番になりつつある、異世界コラボ(笑)柳井さんの口調が怪しい…


11.10.21.陸都

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