『どうして‥‥、どうしてあんな無茶したんですか!?そんなに血流して‥‥!フラフラになるくらいになって‥‥っ!今にも倒れそうじゃないですか!!』
俺は少なからず驚いていた
今まであんなに大人しくしていた木更陸都がこんなに声を荒げるとは‥‥
「‥‥大したことはない。いつもこんなものだ」
『そんな‥‥!』
信じられないという表情で俺を見る
「‥‥何故だ?」
思っていた言葉が思わず出た
「何故、そんな顔をする?」
赤の他人な俺を何故そこまで心配する‥‥?
『そんな‥‥?大切な人だからに決まっているじゃないですか!』
――え?
『大切な仲間同士、祓魔師同士‥‥心配しないわけがないじゃないですか!』
‥‥あ、そ、そう言うことか
って、何を焦っているんだ俺は‥‥
「‥‥フッ」
『‥‥!?何がおかしいんですか!?もしかして、貧血で体調が‥‥?ネイガウス先生!しっかりしてください!』
――普段はあんなに真面目でおとなしい木更陸都
そんな彼女が、こんなにも真っ直ぐで心配性で思いやりがあって‥‥
はじめて垣間見えた彼女の素顔がかわいくて、笑みが零れてしまったとは――誰にも言えないな、と再び笑みを零してしまう俺だった
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