「青葉兄って筆頭みたい」

『……筆頭ってのは奥州の伊達政宗か?』


千鶴と洗濯物を干していた和泉

すぐ皆と打ち解け、今では総司に追いかけられ私の部屋に逃げ込んでくるのが日課になっているほど

そんな和泉と千鶴を何気なく手伝い一服していた時の事


「Yes!!青葉兄ってもしかして筆頭の妹とか?」


ある系?と聞かれ私は目を見開く


『な、なんで…』

「Hell DragonとかRest in peaceとか最強だよねー」


ついでに筆頭の右腕の人は葱持って踊っているといいなーと力説する和泉


『政宗なら、兄だ…』

「Whatッ!?マジで!?!?」


当たった当たった!と笑う和泉

この顔はとっくに知っていたなと思ったが、黙って置こう


『……あぁ、本当だ。私は此処とは異なった世界から来たけどな』

「んじゃさっき言った婆沙羅技とか使える系!?」

『一応な、ってお前そういえば何で婆沙羅技なんて知っているんだ?』


何故だ?と不思議そうに聞けば「歴女ですから!」とはぐらかされる

言いたくないのか…?

そういえば私は和泉が何処から来たかは知っているが、その他は知らない


『なぁ、和泉』

「ん?何、青葉兄」


名前を呼べば振り返る和泉

それと同時に揺れる黒い髪

トシ、みたいだな…と思いつつ


『お前って「しっ」』


静かに、と私と千鶴を庇うように片腕を伸ばす和泉

それと同時に嫌な予感と殺気が体中を駆け巡る


「Shitッ、婚活鬼かよ、千鶴アンタは逃げてね」

「え、あ、うん。わかった」


千鶴を室内へ下がらせ「出て来い風間!!」と大声で和泉が叫べば木の影からゆっくりと風間千景が出てくる


「……貴様、何者だ」

「HEROでーす」


英雄とかかっこよくね?とケラケラ笑う和泉

そんな和泉にイラっと来たのか風間は声を少し荒げる


「ひーろーなどどうでもいい、貴様も幕府の犬共と同じクズだろう、ならば」


容赦はするまい。と刀に手を掛ける



―――その瞬間



誰が、クズだ


カキィィンと金属独特の音が響き、カランッと白刃の刀が地面に転がる


「此処の人達はな、自分達の信念を貫こうと必死なんだよ。それをただ血筋の為だけに女の尻を追っかけてるキンキラと一緒にしないでくれる?」


いつの間にか和泉の手には刀が抜かれ、その代わり風間の手から刀が消える


「貴様っ何をした!?」

「何って、弾いただけだけどー?」


目を見開き痛めたのであろう、手首を抑えながら和泉を睨みつける風間


新選組は、伊達じゃねぇ。You See?


刀の切っ先を風間に突きつける

その姿に一瞬兄を重ねてしまったのは口調からだろうか


「去りな、今のあんたじゃあたしには勝てないよ。勝ちたきゃその髪銀髪に染める事!ついでに天パにする事!!キンキラオーラ消せッ!!」

「消せるかっ!!」



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