初夏の風がふわりと吹き抜けていく午後


久しぶりに非番となり、トシと一緒に散歩を楽しんでいた時だった



「青葉」

『ん?なんだトシ?』



ふと名前を呼ばれ、振り返る

するとトシが何かに向って指を指し困惑した表情で


「……あんな奴、新選組にいたか?」

『へ?』


トシが指を指しているほうを見れば、見覚えのある浅葱色の羽織が、飛んだり跳ねたり、走ったり……


「HA!鬼さんこちらっ!手のなる方へッ!!!」

「あー!!お姉ちゃん足速すぎ!!」

「大人げないよ!!」

「知らんし!心は永遠に子供だもんねー」


キャッキャッと子供達と遊ぶ女の子


『……知らない』

「だよな」


黒い髪、紅色の瞳

すらっとした体に、腰には刀

普通にしていれば美人いや、可愛い筈なのに


「Let's party!!!」

「「「いえぇぇぇぇぇい!!!」」」


『ま、政宗兄さんと同じ事言ってる……』

「そういえば、そうだな」


子供達と楽しそうに遊んでいるのを邪魔するのもどうかと思うが仕方が無い。と溜息を吐き女の子に近づく

そんな青葉に気付いたのであろう女の子は子供達にバイバイと手を振る


『さっしがいいね』

「そすかね?」


ニコニコと笑う女の子


「お前、誰だ?」


率直に聞くトシにツッコミたかったところを押さえる

すると女の子は目を見開き「あ、やっぱり?」とケラケラ笑う


「やっぱしかー、あーめんどくせー」

『やっぱり、と言うと?』


不思議そうに疑問を投げつければ女の子は再び笑い



Parallel Worldって分かりますか?」


女の子の発音の良い南蛮語に目を見開く


『もしかして……』

「おっ!さっしがいいねお姉さん!」



back mae tugi



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -