パチン、パチン

小気味の良い音が部屋に響く


ズズズッとお茶を啜る音

モグモグお菓子を食べる音……は、一人の少女が出している音で

もう一人、少女と向かい合っている男性…いや、女性は頭を抱えている


「まだー?」と催促の声に苛立ったのだろう、側にあった饅頭を頬張り……



『甘っ!?』

「え、これ結構甘さ控えめなんだけど」

『どこがだ!?』



ゴクゴクと茶で甘ったるい饅頭を無理矢理流し込み、はぁと溜息を吐きながら再び目の前の将棋へと意識を戻す

兄貴にもこの手が通じたんだ、いや小十郎には効かなかったな……なら、


パチン!と飛車を動かし、和泉の銀を取り笑う


(この勝負、俺の勝ちだ…!)



「へい、Checkmate」

『ぁ、あぁ……』



結局王を取られ俺の負け

これで何回負けたんだろうか……



「鈴々姉強いわー、危ない危ない!」

『これでも小十郎に仕込まれたんだけどなぁ……』

「流石伊達にLet's patryしてないねー。
つか、小十郎はネギ踊りしか出来ないのかと思ってた」

『阿呆か』



ケラケラ笑う和泉が膝に乗る猫を撫でれば、ニャゥ?と鳴き

俺の側にいた黒猫もくぁと大きい欠伸をすれば、「ねむっ」と目を擦る和泉

似ていないようで似ている一人と二匹に笑い



(平和、だなぁ…)










(この時間がずっと続けばいいのに)

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