「だーかーらー、下がっててくーだーさーいぃぃぃい!!」

「嫌だって言ってんだろ!!」


ギャアギャアと騒ぎ攻防戦をする和泉と【あちらのトシ】

流石の風間も呆れたのか、溜息をつき京の町へと知らぬ間に消えて行っていた


「おい、青葉」

『あ、トシ』

「……またか」

『つっても和泉の方じゃ何年も経ってるってよ』

「俺は一昨日帰ってきたばっかだってのにかよ…」


はぁ。と溜息を吐くトシに気付いたのか和泉達が口喧嘩を止める


「あ、ロン毛土方さん」

「てめっ、ろん毛ってなんだよ!?」

『髪が長いって意味
って和泉、お前ら薄くなってきてっぞ……』

「お、マジだ!」


Time upだねーとケラケラ笑う和泉に溜息を吐くトシ二人と俺。


「鈴々姉ー多分また逢いにくるわ」

『あいよ、いつでも待ってる』


だから今度は子供でも連れて来いよ。と言えば「ふぇぇぇえッ!?」ともの凄い声で叫び


『なんだよ、名前呼びだったし何年も経ってんならてっきり祝言あげてんのかと』


おぉ、流石鈴々姉!と笑う和泉に少し頬を紅く染める【あちらのトシ】

……女々しい、乙女。あ、乙男だな





ゆっくりと足元が消えていき、姿も薄っすらとしか残っていない


「鈴々姉ぇ、土方さん
二人とも、さっさと幸せになりなよ!!」


あたしはお先にーと言う言葉が夕空に消え

満面の笑顔と、二つの影が陽炎の様に消えていく


『……幸せにねぇ』


まだまだ先の話だと笑えば、隣にいたトシも笑う


「あぁ、まだまだ先……だけどな?」



たまにはいいだろ?と俺の肩を抱き寄せるトシ

そんなトシの行動に驚き、顔が熱くなるが



……たまにはいいか、な?



トシの肩に頭を預け、手を握る

こりゃ和泉に感謝しなくちゃなぁ…




トシの肩に頭を預け、手を握る

こりゃ和泉に感謝しなくちゃなぁ…




秋の夕日が照らす




ある日の出来事―――……



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