『またか……』
「そーですね……」
面倒臭そうに頭を抱える青葉兄に苦笑する
またこの漢前な方に逢えるとは思わなかった
「えーとりあえず、此処に置いてクダサイ」
『片言だなオイ』
しょうがねぇか。と笑う青葉兄にホッと息をついたのもつかの間
「ちょっといい?」
スッと戸が開いたかと思うと【こちらの総司】が居て、二コリと笑う
その笑顔に寒気を感じたのは、青葉兄もだろう……肩震えさせてたし
「いたいた、和泉ちゃん」
久しぶり。と再び笑顔を見せる総司に危険を察知し「See you!!」と声を上げ走り出す和泉の首根っこを掴む総司
「出逢い頭にそれはないんじゃない?」
「本能のままに行動したまでっすよー」
『つか総司、なんで和泉が居る事に気付いたんだ?』
青葉兄が疑問を投げかけると平然とした顔で
「甘い香りがしたからだよ、ここの人たちではない香りがね」
皆汗臭いからね、すぐに分かったよ。と笑いながら言う総司に「そんな匂いするの!?」と自分の纏っている香りを確かめるが分からない訳で
「甘い匂いしなくね?」
「するよ、砂糖菓子みたいな…ね」
食べちゃいたいよ。と臭い台詞と素面で言えるのは総司と左之さんだけであろう
青葉兄は臭い言葉に寒気を感じたのかぶるっと身を震わせる
「食えるわけないじゃん、共食いなるよ?」
『……和泉お前、鈍いって言われるだろ』
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