無邪気に和泉が問うが、その聞き慣れない年号に二人は絶句

そして、紫苑が重い口を開けた



『…結論として、私とこの子は…
この時代の人間ではない


「………冗談言うな」



表情を引き攣らせながら、少年は言葉を紡ぐ

だが紫苑の表情も芳しくない



『私だって信じたくない、だがグルルッ…』


その時だ

彼女の言葉を遮る音が、場に響き渡る


目を見開きながら、紫苑と少年は顔を見合わせた

そして音の発生源に、ゆっくりと視線を向ける



「…ごめんなしゃい…」



視線の先には、顔を真っ赤にさせた和泉が



「…腹、減ったのか?」

「…うん…」



少年の問い掛けに、和泉は申し訳なさそうに俯く

苦笑を浮かべながら、紫苑は和泉の頭を撫でた



「お〜いっ!!!トシぃ〜!!!」


「ゲッ!?勝っちゃん!?」



遠くから少々甲高い声が響く

すると少年の表情が、驚愕に変わる


紫苑と和泉は、首を傾げるしか出来ない

暫くすると少年の元に、同い年位の少年がやって来た



「トシ、探したぞ。おノブさんがお前を…って、あの二人は?」



どうやら二人は親友らしく、やって来た少年は気さくに話しかける

だが紫苑と和泉の姿を捉えると、向かいの少年に問い掛けた



「……変人?」

『誰が変人だ!誰がっ!』

「おにぃちゃん、ひどいっ!」



トシと呼ばれた少年は首を傾げながら、言葉を紡ぐ

だがそれに二人は猛反発



「こら、そんな言い方はないだろう。済まないな…俺は勝太、こっちは歳三だ」



申し訳なさそうに勝太と言う少年は、謝罪しながら名乗る

その姿に紫苑は少々不安を覚えた



『(なんっー真っ直ぐな奴…これで将来大丈夫なのか?)』

「わたしは和泉ぃ!!!」

『…伊達 紫苑だ』



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