さも当然の様に言う土方さん…て、ちょっと待ってぇぇっ!!

当時私、いくつだと思ってんですかぁぁ!!


けどそれを代弁してくれたかの様に、鈴々姉が呆れながら言葉を紡ぐ



『何言ってんだ、当時和泉は幾つだったよ?五・六歳だぜ、覚えてる方がすげぇ』

「…そういや、そうだったな」



苦笑する土方さんに、ふと鈴々姉は眉を潜めた



『そういや、トシは何時気付いたんだ?』

「あぁ…和泉に初めて会った後だったな。お前は?」

『記憶の片隅にあったから、最初からだが?』



さらりと告げる鈴々姉に、流石の土方さんも表情が強ばる



「随分賑やかだな」



そこへ穏やかな、聞き慣れた声色が降ってきた

二人が振り向いた先には



「『近藤さん」』



鈴々姉側の近藤さんが、笑みを湛えて室内に入ってきた

すると近藤さんは私を見て、首を傾げる



「おや?和泉君はどうしたんだい?」



私は未だに、あーとかうーとか唸っていた

まさか小さい頃、会ってたとは思わないじゃん!!しかも鈴々姉と土方さんは覚えててるし!!


…ん?て事は…ま、さか、近藤さんも覚えて、る…?



『昔の事思い出したんですよ』

「あぁ、あの時の事か!」



お・ぼ・え・て・た・っ!!

何?私だけなの!?私だけ忘れてたのっ!?



「…近藤さん、覚えてたのか?」

「そりゃあれだけ、印象強ければな。俺は和泉君と出会って、数日後に思い出したよ」



少し驚きつつも土方さんが問いかけると、近藤さんは満面の笑みで答えた

…あぁあぁぁ!!もぅ限界っ!!



「鈴々姉ぇぇ!!」

『ぐぇっ!?』

「「あっ」」



私を放置して話してた鈴々姉に、勢い良く飛び付く

それに何故だか、土方さんと近藤さんは揃って声を上げた



「何で言ってくれなかったのさっ!!」



ぎゅうぎゅうと鈴々姉を抱きしめながら、叫んだ

水臭いじゃないかっ!!



「…和泉君、鈴々音君から降りてあげなさい…」



すると近藤さんが恐る恐る、私に声を掛けた

なんだどこか痛ましい瞳で…それは土方さんもで

あれ、どったんだろ?





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