その背中は、私の目指すもの



私には姉と慕う女性がいる
伊達 鈴々音。私は鈴々姉と呼んでいる


名字でもお分かりな様に
鈴々姉はかの有名な、青い片目の武将様の妹君
これにはマジで驚いたけどねー



鈴々姉はメッチャ強くて聡明で、優しくて、どんな時も冷静で

私も鈴々姉みたくなりたいっ!!



『Ha?俺みたいになりたい?無理だろ』

「即答ですか…」



私と鈴々姉は、住む世界が違う
平行世界と言うヤツだ


なのにも関わらず、何故か不思議な事に

私達はお互いの世界を、行き来しているんだよねー。まぁ楽しいから良いけどさ!


今回も私が鈴々姉の世界にお邪魔していて
それがお約束の様に、皆受け入れてくれてる



そんなある日

私は鈴々姉に、自分の思いを伝えた


そしたら即答…って!?ちょっと鈴々姉!!酷くない!?



「即答ですか!?少しは考えてくれたって良いじゃんか!!」

『必要無い』



また即答っ!?しかも今度は間髪入れずにっ!!
いくら私でもへこむよっ!!

そんな事を考えてたら、鈴々姉から重い溜め息が漏れた



『阿呆か、お前は。どんなに頑張っても、俺にはなれん。和泉、お前はお前なんだから』

「…」

『確かに目標を持つのは良い事だが、履き違えるんじゃねぇ。自身を見失うな、和泉は和泉らしくすりゃ良い』



鈴々姉の言葉に、二の次が続かない

私が鈴々姉を慕う理由は、此処にもある


心に響く様な、染み渡る様な言葉

それは戦国武将の経験からだと思う


私が迷ってる時とかに、道を指し示す様な言葉をくれる

こちらの土方さん達も、鈴々姉の言葉に何度も感慨を受けたらしい
でも…感慨ってなんだろ?

(感慨→心に深く感じて、しみじみとした思いになること)



ふとそこで。私は違和感を覚えた

何か懐かしい様な感覚

不思議と胸の中が、ほかほか暖かい



『…どした?』



無言になった私に気付いた鈴々姉が、問いかけてくる

鈴々姉の優しげな瞳に、またも懐かしさを覚えた



「…何だか、懐かしい?」

『……』



ポツリと漏らした私の言葉に、鈴々姉は何故か目を見開いた

…どしたんだろ?



『…Ah-.そうか…覚えてねぇか』


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