「成る程なぁ…嬢と坊が世話になっとるお姉はんの煙管の修理か…」
一旦場所を移し、茶屋で二人は事情を説明
羅宇屋の男性は納得した様に、首を縦に振った
すると急に男性は、膝を手で叩いた
「その心意気買うた!嬢と坊の為に、一肌みせようやないか!」
彼の言葉に平助と千鶴は、互いに笑い合った
「その肝心の煙管はどこや?」
「あ、俺預かってる!」
そう言うと平助は懐から、小さい筒を取り出した
ゆっくりと筒を開けると、そこには煙管が入っていた
平助は大切そうに煙管を羅宇屋に渡した
煙管を受け取った羅宇屋は、感心の息を吐いた
「…お姉はん、大切に使っとるな…羅宇は交換せんとあかんか…」
穏やかな瞳で煙管を見つめる羅宇屋
ふと視線を二人に向けた
「嬢と坊は煙管の仕組み、知っとるかい?」
話を振られた二人は顔を見合わせると、首を横に振った
「ええか?これが吸口、ここから吸う」
煙管の細くなっている先を指差しながら、羅宇屋は説明を始めた
「で。中央が羅宇(らう)っつう、芯や」
細い金属の先、調度煙管の中央を羅宇屋は指差す
「素材は竹で出来とる。こいつに脂(やに)が溜まると、吸い込みが悪うなったり、最悪割れて割れてしまうんや」
mae tugi
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