てな訳で千鶴・平助による羅宇屋捜索が開始
土方からの情報だと、青葉は仕事中は絶対に煙管に手を付けないとの事
つまり彼らにとっては、昼間が捜せる唯一の時間なのだ
だが
千鶴が何度も巡察に足を運んでも
平助が非番の日を縫って、市内を駆けても
肝心の羅宇屋は見つからなかった
「見つからないな…」
「見つからないね…」
平助が非番のある日
土方から外出許可を貰った千鶴は、彼と共に羅宇屋を探した
だがやはり見つからず、二人は途方に暮れる
「おや?お嬢はんに坊ちゃん、どうしたん?」
不意に男性の声が、二人にかかった
二人が振り向くと、道具箱を天秤の様に下げた男性がいた
「…ある人を探してるんです…」
「ある人?」
「うん…羅宇屋さんって人なんだ…」
平助がそう言うと、男性は目を見開く
そしてからから、と笑い出した
「こら、驚いた。子供達が、ワシを探しとるとはな」
彼の言葉に二人は目を丸くした
「えっ…?」
「じゃあ……」
「嬢と坊が探しとる羅宇屋は、ワシだよ」
男性は笑みを深くして、二人に笑いかけた
mae tugi
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