土方の周りに、自然と人だかりが出来る
木刀を仕舞った青葉は、その場を後にした
「隊長」
『佐助、小太郎』
青葉が振り向くと、そこには不機嫌な二人が
「…主、何でわざと負けた?」
『…やっぱ、分かる?』
「俺様達にはね」
佐助の言葉を聞いて、青葉は肩を竦めた
『流石にトシにも立場があんだろ?副長が負けたとなったら、指揮に関わるからな』
そう、彼女はわざと土方に負けた
土方の立場を考えての行動だった
「そりゃ、そうだけどさぁ」
「……主の方が、強い…」
納得いかない佐助と小太郎に、青葉は苦笑しか浮かべられず
『別に構わんだろ?俺は気にしとらんよ…てかお前らトシの実力分かったから良いじゃねぇか』
「……それは……」
「まぁね…土方の旦那、意外にやるね。あれなら戦国でも生きてけるよ」
「……土方の命なら、聞いてもいい」
『……お前らね……』
呆れて溜息を漏らす青葉
この後から、彼女の実力は幹部並と知られるが…
彼女の本当の実力を知るのは、まだ当分先の話……
勝負っ! 完
mae tugi
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