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『……んっ……』



青葉が目を開くと、直ぐ側には土方が倒れていた



『トシっ!?』



表情を崩し、青葉は彼に駆け寄る



『……気絶してる、だけ』



その事に安堵する青葉


しかし彼女は同時に懐かしさを覚える

土方を抱きしめたまま、周囲を見渡す


そして目を見開いた



『………あれ?青葉城?

「鈴々音っ!?」



名を呼ばれ、彼女が振り向いたそこには…



『………兄貴?』



右目に青葉と同じ眼帯をしている青年の姿があった


そう


青葉の兄、伊達政宗公だった



「お前、一体何処ほっつき歩いてやがった!…誰だ?」



釣り目の瞳を更に吊り上げて叫ぶ政宗、ふと土方の存在に気付く



『……やっぱ、戻ってきてた、か…』

「……What?」

『ちゃんと説明する…だからさ、運ぶの手伝ってよ』





所変わって、政宗の執務室


土方と青葉は、彼の執務室前の庭に急に落ちて来たらしい

政宗の助力を借り、今だ目の冷まさない土方を寝台に寝かした青葉


そして彼に全てを打ち明けた







「………」

『言っておくけど、事実だからね』



目を見開いて驚愕する政宗に、青葉は嘆息混じりで呟いた



「…Ha,お前も厄介な事に巻き込まれてんなぁ」

『まぁ、確かに厄介だけど…嫌な事ばかりじゃねぇから…』



そう言って青葉は、土方の髪を梳く



mae tugi





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