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千鶴から唯を受け取った青葉は、慣れた手つきで重湯をあげる



「そういや、唯の素性調べてんだろ?」



土方は思い出した様に、呟く



『あぁ…よし、後はゲップだけか。トシ、やれ』

「俺かよ!」

『ちったぁ慣れやがれ』

「ちっ!」



渋々青葉から唯を受け取った土方は、不慣れな手つきでゲップさせた



「「何か親子みたい…」」

「『親子言うな!」』



時間が流れて、夜



『トシ、唯を風呂に入れてやってよ』

「は?どうやって?」



とりあえず唯を風呂に入れるべく、二人は湯殿へ


青葉は、まずたらいにお湯を張る



『まず左腕に乗せて入れる。頭の後ろから中指、親指で耳を塞ぐんだ。手ぬぐいで優しく撫でるように洗う。浮力が働くから簡単だ』

「……ってもな……」



恐る恐る青葉の言われた通りに、唯をお湯へと入れる土方



『……喜んでんじゃん、唯』

「………だな」



そこへ軽快な足音が響く



「鈴々音姉、唯の替えの服乾いたー」

『あいよ』



平助から唯の着ぐるみを受け取ると、唯を手慣れた手つきで拭き取って手早く着せた



唯を寝かすのは青葉の部屋



『…よしよし…』

「……また、か」



襖を静かに開けて、寝ぼけた土方が入ってきた



『…悪いな、起こして』

「別に構わんが…」

『しかし…夜泣きすげぇな…』

「…大丈夫か、お前?」

『…大丈夫だろ、多分…』



そんな事を繰り返してた、ある日



『………マジ?』

「………主、それ、本当…」



小太郎から知らされた、唯の出生に、青葉は仰天



『…迎え、来るかね…』



つい溜息を漏らす青葉

書類上には唯の両親…武士と商人の娘が駆け落ちした…という報告が記されていた




それからまた数日が経過



「唯っ!」



唯の両親が無事に屯所へと、迎えに来た

何度も何度も幹部達へ頭を下げると、両親は唯を連れて屯所を後にした



「しかし…武士の息子と商人の一人娘が駆け落ち、ねぇ」



自室で書類を片付けながら、土方は呟いた



『双方のご両親を説得する為にやむなく…ね…』

「…一言かけりゃ良いものを…」

『……確かにな…』

「「土方さーん!」」



襖越しに、平助と千鶴の声が聞こえた



「『あ?』」



首を捻る二人だが、とりあえず平助と千鶴を中に入れた



『どした、二人共』

「……あの、ね……」



口ごもる二人に、土方も青葉も首を傾げるばかり



「「…赤ちゃん欲しいっ!」」



突拍子な台詞に、土方と青葉はすっころげた



「『はぁ!?』」



どうやら唯がいなくなって寂しくなった二人



「二人ならって、左之さんや新八っつあんがさ」

「『…新八ー!左之ー!」』



それから暫く土方と青葉は、平助と千鶴にごねられたとさ


Child Panic! 完




mae tugi





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