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てな訳で

大広間にて青葉、お披露目中


彼女はもう諦め状態に近かった、そんな青葉の美貌に誰もが言葉を失った



「「姉さん/姉ちゃん、綺麗…」」



千鶴と平助は、目を輝かせていた



『……着替えて良い?』



溜息混じりで青葉が言うと、部屋から文句の嵐



「………」



一方、土方はと言うと

部屋の隅で、黒い物体を発生中だったり



「(………ムカツク)」



…どうやら、妬いていらっしゃる様



「隊長〜?」



そこへお気楽な声色が聞こえてきた



「あ、いたいた♪」

「…主……」



広間に入ってきたのは、監察方・特務隊所属の佐助と小太郎



『佐助、小太郎。どした?』

「俺様は至急見て欲しい資料持ってきたの」

「任務、終了…報告書…」

『ん、二人共見せて』



着物を翻し青葉は、二人から書類を受け取る

不意に佐助の視界に、土方が入った



「………」



ほんの数秒、佐助はカチリと固まる



「(……あれ?土方の旦那って、俺様と同属?)」



彼の視線を追ってみた佐助、それは青葉に突き当たる…それが指し示すものは…



「(…隊長、何で気付かないの?)」



心中で佐助は土方に同情と、青葉に呆れる


「(土方の旦那のアレは、嫉妬だよねぇ。まぁ分からなくないけど…隊長だからなぁ)」

「《猿飛》」



突然佐助の脳裏に、低い声が響く



「《風魔?》」



実は小太郎、読心術を使える

心の声を直接相手に送るこの術は高等忍術なので、佐助程でないと会話が成立しない



「《土方はどうしたんだ?主を見ている》」

「《あー、あれだよ。嫉妬、妬いてんの。隊長の着物姿って多分土方の旦那しか知らなかったんだろうね》」



佐助は心中で溜息を漏らして続けた



「《自分だけしか知らない秘密を、他人に知られたくない…まぁ簡単に言ったら独占欲だねぇ》」

「《…餓鬼?》」



…意外と毒舌な小太郎



「《あはー。風魔が言う?でも土方の旦那、少し可哀相になってきたよ》」



依然部屋の隅で土方は、黒い物体を発生中

小太郎も心中で溜息を漏らした



「《……助けるのか?》」

「《風魔、気付いてる?隊長ね。土方の旦那といる時、凄い柔らかく笑うんだよ?》」



それは【戦国武将】である彼女が、【普通の女の子】に戻っている証



「《……仕事は任せろ》」

「《流石、風魔!》」



…この間、僅か数秒。侮りがたし、戦国乱世の忍



「はいはーい!旦那方、そこらで隊長を解放してやってよ?」



佐助が割り込む様に、青葉の前に進み出た



「俺様達、まだ仕事あるんだからさ〜。土方の旦那にも、確認して貰いたい書類あるからね〜?」

「お、おう…」

「はいはい、それじゃ解散っ!」



mae tugi





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