スパンと小気味よい音を起てて、青葉は足で庄子を開けた
その事に土方は青筋を立てる
『しゃーねぇだろ、両手塞がってんだからよ』
「声掛ければ良いだろうが…」
溜息を漏らす土方に、千鶴と平助に笑みが零れる
『昼餉持って来たぜ。千鶴と平助には粥な、んでこっちがトシの分』
「…姉さん、顔色が…」
千鶴の指摘通り、青葉の顔色は芳しく無かった
健康体の顔色でなく、うっすらと青白い
『あぁ、最近患者が増えてなー。二人共、昼餉食えるか?』
彼女に問われ、二人は粥に着いていた蓮華に手を伸ばす
蓮華を掴んだ…と思いきや、すぐに二人の手から滑り落ちてしまう
青葉と土方は顔を見合わせると、互いに千鶴と平助の粥を持った
「…姉さん?」
「…ひ、土方さん?」
『風邪で体力が落ちてんだろ、とにかく食え』
そう言って青葉は蓮華で掬った粥を、千鶴の口元まで運ぶ
土方もまた、平助に同じ様にしてやる
だが二人は顔を真っ赤にさせて、首を横に振った
「だ、大丈夫!!」
「そ、そ、そうだよ!」
「何言ってやがる。蓮華も持てねえ位体力落ちてんのに、どうやって粥食うんだよ」
『ま、諦めな』
mae tugi
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