所変わって、市中
「うわー!」
「凄いね、平助君!」
「『…はぁ』」
賑わう市中に、目を輝かせる千鶴と平助
保護者組は溜息しか出ない
実は今、京の街で【特別な祭】が三日間だけ催される
京周囲の土地の者が、特産品を持ち寄って店を開ける事になったのだ
これを聞いた二人は、出掛けたいと思い立ったらしい
『…しかし…まさか、近藤さんの許可を貰ってくるとはな…』
「ったく…あいつらめ…」
そうなのだ
二人は青葉や土方が一筋縄で行かない、と分かっていて
わざわざ近藤の許可を貰ったという…因みに近藤は二つ返事で了承した
「「兄さん、姉さん!早くっ!」」
「そう急かすんじゃねぇ!」
『市は逃げないよ…』
しかし新選組幹部と知れたら、何かと騒動に巻き込まれかねない
と。いう事で
近藤から兄弟設定で出掛ける様に、と念を押された
その為、千鶴と青葉はしっかりと着物着用
***
「しかし…かなり大掛かりだな…」
市を見渡しながら、土方は呟いた
『あぁ…何でも各地の特産品を、もっと良く知って貰うのが目的らしーぞ』
「ほぉ…」
関心の息をつく土方に、青葉は顔色を変えた
『てかさ…』
「ん?」
顔を引き攣らせながら、彼女は溜息を漏らした
『…チビ共は?』
mae tugi
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