総司が逃げた廊下を睨む土方
不意に青葉は、土方の押し入れを開けて【あるもの】を取り出した
『梅の花 一輪咲いても 梅は梅』
「なっ!?」
彼女の言葉に土方が振り向くと
青葉の手元には、ある書物の姿があった
「……知ってた、のか?」
『阿呆か、当たり前だろ?
お前が趣味で、句をしたためてるなんて前々から知ってたわ』
愕然と脱力する土方
それもそのはず
土方は何故か青葉に、句集の事を隠していたのだ
『てかさ、何で隠すよ?』
首を傾げながら、青葉は問い掛けた
すると土方は罰が悪そうに、視線を逸らした
「………恥ずかしかったんだよ……」
『………はぁ?』
彼の以外な理由に、青葉は目を見開く
そして、噴き出した
『な、何だよ…その理由…』
「わ、笑うなっ!」
腹を抱えて笑う青葉に、彼は顔を真っ赤にさせて叫ぶ
『しかし…また…分かりやすい所に隠して…他の場所、無かったの…?』
ひぃひぃと笑いながら彼女は言うと、土方はげんなりとした表情を浮かべた
「……他の場所は、総司に見つかった……」
『……ああ、納得』
mae tugi
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