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一方、新選組屯所



監察方が全員で動いているのにも関わらず、めぼしい情報は無かった



「………」



自室で怒りを抑えている土方

今にも人一人殺せる位の形相を浮かべていた



「………土方の旦那」

「………佐助、か」



そこへ佐助が戸惑いながら、土方へ声を掛けた



「………何か分かったか?」

「…………」



問い掛ける土方に対し、佐助は何も答えず



「何か分かったのかと聞いているっ!」




そんな佐助に、土方はつい怒鳴り付けてしまう

だが土方は、直ぐに我に返る



「…………済まねぇ」

「…………ん、平気」



思い詰める彼を見つめていた佐助は、浅く溜息を漏らす



「…分かったよ。隊長を掠った奴と、居場所」

「本当かっ!?」



目を見開いて佐助を見やる土方

だが佐助は真剣な表情で、口を開く



「でも…土方の旦那には教えないよ」

「なっ!?」

「だって教えちゃったら…土方の旦那、今すぐ駆け付けちゃうじゃない。忘れたの?自分の立場?」

「ぐっ…」



佐助に言いくるめられ、土方は口ごもる

不安と焦燥の色を隠せない土方に、佐助は苦笑いを浮かべた



「……はぁ。仕方ないなぁ」

「……佐助?」



目を瞬かせ、佐助を見上げる土方

だが佐助は土方に、指を二本立てて見せた



「ただし、条件付き。
一つは土方の旦那と隊長が無事で帰ってくる事!

も一つは…子の刻(深夜12時)までに戻る事!」

「……ちょっと待て。今五つ半(21時)だぞ?」



表情を引き攣らせる土方だが、佐助は何のその



「大丈夫でしょ、以外と近い所だし。他の人達は俺様が説得しとくから…ちゃんと条件は守ってよ?」



ニヤリと笑った佐助に土方はア然としたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた



「あぁ、任せろ!」



mae tugi





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テーマ「人外ファンタジー」
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