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『……んっ……』



一方、青葉はと言うと

失っていた意識を浮上させていた



『………』



目を瞬きさせながら、周囲を見やる

どうやら廃寺の様だ



『………あぁ、そか』



記憶を辿った彼女は、今の現状に納得

深い溜息を漏らし、空を仰いだ



『(misったなー、まさか捕まるとは)』



柱に腕を縄で縛られ、足まで括られて身動きが取れない



『(あの笑み…恨みから来る笑みだ…面倒だな、おい。
獲物は…やっぱ取り上げられてんな…お?暗器は取り上げられてない?Lucky!)』



どんな状態になっても、彼女は彼女らしく

捕われの身だと言うのに、自分の歩調を崩していない



自身の刀は取り上げられたものの、袴等に仕込んだ暗器はそのままで

何とか暗器で脱出を試みた青葉だったが



『(…!誰か、来る)』



人の気配を察知し、すぐ行動を中断した



「………気が、付きましたか」



ぎぃぃと、鈍い音を起てて扉が開く

廃寺へ足を踏み入れたのは、市中で出会った男だった



『…………』

「この時を…どれほど待ち侘びたか…」



男性は歪んだ笑みを浮かべながら、喉を震えさせる



「この手で…貴方を……くひひぃ……」



『……(トチ狂ってやがる)』



無言無表情で男性を眺めている青葉だが、内心毒付いていた



「………今宵で、貴方の人生は終焉を迎える…」

『………目的は……復讐か?』



彼女の言葉を聞くなり、男性は目の色を変えた

そして青葉の髪を、いきなり掴み上げた



『って!』

「貴様がっ!貴様が全てを奪った!貴様が居たから、俺の同胞は死んだ!

死を持って償え!化け物っ!


『……っ!』



mae tugi





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