「Oh,二人共似合ってんじゃねぇか!」
喜多が二人を、政宗の私室から連れ出して暫く――
戻って来た二人は見事な着物に、身を包んでいた
上流武士の娘・息子に見える位だ
『似合ってるよ、二人共』
「しかし…上等な着物だぞ、これ」
笑みを深くして絶賛する青葉
隣の土方は二人の着物の上質さに、目を瞬かせた
すると政宗がカラカラと笑い出した
「ガキの頃のお古だ、気にすんな!」
『そうそ』
「姫様は着物を仕立てても、数回しか袖を通して下さいませんでしたしね」
喜多の台詞を聞いて、土方は呆れた視線を青葉に向けた
「お前…な…」
「しかし、政宗様。鈴々音様はともかく、このお三方は…」
青葉は元々【こちら側】の者、だが三人は別だ
世界を飛び越えてやって来た者だ
流石の小十郎も、身の振り方に戸惑っていた
「Ah〜,そうだな…」
三人を見つめながら、政宗はしばし思考に浸る
しかし何か、良い案でも思い付いたか
口元を上げて、笑って見せた
『(…何か、嫌が予感がする…)』
彼の笑みを見て、青葉は内心で愚痴る
その読みは当たっていたようで――
「トシは鈴々音の婿候補、千鶴と平助はトシの兄弟にすっか!」
「「「『は!?/はい!?」」」』
これには流石の小十郎達も、目を見開いた
「ま、政宗様…?」
mae tugi
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