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「(…全く、あの方は…)」



一方、その頃

青葉城の廊下を、憤慨しながら闊歩する武士が居た



一番目につくは左側の頬に走る一筋の古傷

茶色い髪を後ろに流して纏めている


一見アレ関係の方にしか見えない


だが鼻筋が通っていて、彫りが深く

薄灰色かがった瞳からは、強い信念の光が見えた




彼こそ

青葉の義兄・政宗の忠臣、片倉 小十郎である



「政宗様はどちらにいらっしゃるのか…」



どうやら小十郎は、政宗を捜索中の様だ



「…ん?」



不意に小十郎は、中庭に人影を見た

その姿は年端もない姿で、彼は首を傾げた



「(…あんな年端もない子供、伊達軍には居ないはず…)」



眉間に皺を寄せた彼は、気配を消して人影へと近付く

そして、途端に目を見開いた



「………は?」



彼が驚くのも無理はない


なんせ人影は、まだ十六程の少年少女だったからだ

だがその二人は気を失い、地に伏せていた



「十六…位か?ん?…こっちは形(なり)は男だが、女子じゃねぇか」



流石伊達軍の軍師、千鶴の性別をいとも簡単に見抜いた



「…このままじゃ埒(らち)があかねぇな……おい、起きろ!」



小十郎は二人の身体を揺さぶる

朦朧と意識が戻る二人だったが――



「おい、お前ら一体……」



小十郎を見て、二人はカタカタと震え始め…そして――



「「……こ、怖いぃー!!」」




mae tugi





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