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『…山南さん…ちと、良い…かな?』

「おや、どうなさったんですか?」



ある日の夜更け

青葉が、山南の元を訪れた


山南も騒ぎを聞いていたので

何かあると思い、彼女を自室へ招き入れた



だが青葉は一向に口を開かず、ただ山南の向かいに座り込むだけ



「(困りましたねぇ)」



内心で溜息をついた山南



『山南さん、さ…』



ぽつり、と

弱々しい声色で青葉は呟く


その表情は、何処となく哀しみを帯びていた



『…気付いて…るよね?』

「青葉君と土方君の仲でしたら、とっくに」

『…やっぱり…』



戸惑う事なく断言する山南に、青葉は苦笑を漏らす

山南は穏やかな笑みを浮かべた



「何か…あったのですか?」

『ん…と、ね…』



優しく山南に問われ、青葉は戸惑う



『……私が……女らしくないのは、知ってるよね?』

「ええ、勿論」



ゆっくりと、途切れ途切れに語る青葉



『…私ね…何て言うか…感情も、そんな女らしくない…』

「…はぁ」



彼女の言葉に、山南は言葉が詰まる


青葉の感情、性格は確かにどちらかといえば漢らしいからだ

ふと、山南は何かに感付いた



「…もしかして…土方君絡みで、何かありましたか?」

『…っ!』



青葉は目を見開く


「図星、ですね…一体何があったのですか?」



mae tugi





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